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【絵本で英語を練習する】『Susan Laughs』

大学院の英語教育サブプログラムの院生だった頃、特に初等教育を学ぶ学生が中心になった「絵本で英語を練習する会」という自主ゼミがあった。

ある先生の研究室で週に一度、絵本を音読するために集まるのだが、先生もそこにいてくださってより英語らしい音で読めるように鍛えてくださるという贅沢な勉強会だ。

先生の研究室にはたくさん絵本があって、それらの絵本は「英語らしいリズムで、韻を踏んでいるもの」に限られていた。なので学生は、思い思いに絵本を手にとっておもむろに声に出して読む、そんな場所だった。

私が在学していた頃はコロナ禍でオンライン開催だったり、ハイブリッドだったりしたが、お忙しいなか時間を割いて学生の音読につきあってくださった先生には感謝しかない。

そこで、わたしが「絵本で英語を練習する」ために用いた絵本を紹介していこうと思う。音読の練習には、どれも自信を持ってお勧めできる本たちである。

(ただし、わたしの研究テーマである「絵本の原作と翻訳を比較することを通してものの見方を育む」とは別の視点でのおすすめである。)


Jeanne Willis (著) (2011)『Susan Laughs』.Andersen Press

この絵本は、その内容について子どもたちと話し合いたい素敵な絵本である。いや、大人たちにもおすすめしたい。思わず購入して手元に置いてしまったくらい気に入ってしまった。

ただし、1行4拍のリズムで読もうとすると、絵を味わう間もなくページをめくっていかねばならないので、英語を練習するために用いるなら、本文を書き起こしたテキストのほうがよいと思われる。

Jeanne Willis (2011)『Susan Laughs』.Andersen Press.本文より

Susan laughs, Susan sings,
Susan flies, Susan swings.

本文より書き起こしたもの


小学生の授業で用いたことも

この絵本は小学校の英語の授業で用いたこともある。

Susanは車椅子の少女なのだが、それは最終ページまでわからない。一度読んで、それを理解した上でまた読むと、理解が深まる気もする。

最後のオチについての理解が1回読んだだけでは追いつかない子もいて、3回ほど読んだ。

言語の学習としては4年生に三単元のsについて気づかせたい場面で用いていた。しかし三単元のsについての気づきは、授業のなかの本当に最後の最後でよい。

この絵本は子どもたちと、中身をゆっくり味わいたい作品だな、と授業をしていて思った。


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