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『ひまわりのおか』

#note100本ノック
Day 84

ちょうど10年前の今日。

担任をしていた3年生のクラスで、この絵本を読んだ。


ある児童が「ぜったいに今日、みんなに読んで」と帰りの支度をしているときに持ってきた本だった。

震災に関わる絵本だとわかり、先に読んでおいたほうがいいかな、配慮が必要なことがあるかな、とまず思った。でもその時間はなかった。

しかし普段あまり読み聞かせのリクエストをしない児童が、わたしの目を見て「読んで」と訴える。彼を信じて、「読もう」と直感で判断した。

結果…

読み聞かせをしながら、わたしの涙が止まらなくなって…読めなくなってしまった。(まず考えなければならなかったのは、わたしが子どもたちに読みきかせられるかどうか、だった)

その子たちの前で、涙を流すのは初めてだった。

子どもたちの顔。びっくりしたような、戸惑ったような顔。今でも覚えてる。みんな真剣な顔。泣き崩れてしまった担任を見て、ハンカチを渡してくれた子もいた。

元気な子が多いクラス。でも、みんなただただ、だまって聞いていた。

先生が声に詰まって読めない様子から、何かを学んでくれただろうか…。あの子たちも、もう19歳になっているんだな。

今日は、3.11。東日本大震災により亡くなられた方々、今もつらいなかにいらっしゃる多くの方々を想い、お祈りします。


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