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眠れない夜があってもいい

皆さんは、「眠れない」と悩んだ経験はありますか?

私は、割と深刻に悩んでいた時期がありました。

病院にも行ってみたけど、自分の場合は「今すぐ治療が必要なレベルではない」とのことで(※)、でも、やっぱりよく眠れない…。

(※個人差があるので、しんどい時は無理せずに病院へ!)

なぜか、「夜が怖い」と思うようになっていました。

その後、思い切って朝型生活に変えてからは、眠れるように。

それでも、夜は今もちょっと怖い。

そんな私が、最近ちょっと心が救われた本をご紹介します。

東畑開人さん『なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない』です📖

臨床心理士として、現代人の心の問題に向き合ってきた東畑さん。

本書では、架空の人物・ミキさん/タツヤさんの物語を通じて、さまざまな心の問題が提示されます。

読み終わる頃には、自然と自分自身と向き合えるような、まるで”読むセラピー”を体感できる1冊です。

「働くこと」と「愛すること」

ミキさんは、「眠れない」という悩みを持って登場する人物です。

彼女にとって、夜は孤立無援になり、危険に取り囲まれたように感じる、恐ろしい時間でした。また今日も眠れないかもしれない、そう思うだけで、人生が破滅するのではないかと不安に襲われるのです。

私も、眠れないと悩んでいた頃、まさに、このような気持ちでいました。

このエピソードでは、「働くことと愛すること」について触れられています。

「働くこと」によって「愛すること」が可能になるし「愛すること」によって「働くこと」が可能になる。だから、両方が存在して、相互作用している必要がある。

ミキさんの場合、幼少期の経験から「愛すること」が失われていました。

気付かないうちに、他者を「安全であると信じられる」状況がなくなっていたんですね。

他者は敵ではないと感じることを助けてくれる

正直に言うと、私は「働くこと」と「愛すること」の相互作用がピンときていませんでした。

なぜなら、これまで交わらないものとして両者を捉えていたからです。

だけど、この言葉にハッとしました。

「働くこと」は僕らに、他者の役に立っているという感覚をもたらしてくれます。その感覚が、他者は敵ではないと感じることを助けてくれる。

「夜が怖い」と眠れなかった頃の私は、知らないうちに「敵」をいっぱいつくっていたのかもしれません。

「敵」と言っても、勝手に自分の中でつくりあげている幻想です。

急に「愛すること」は難しいけど、「他者は敵ではない」と感じることから意識してみると、見える世界が変わるかもしれません。

そのための、「働くこと」。

これからも眠れない夜があってもいいと思うし、そのたびに、私はこのことを思い出していきたいなと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました🍀

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