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約100軒の山小屋をリアル取材した雑誌『PEAKS』の「北アルプス山小屋大全2024」特集。デジタル隆盛の今だからこそ読む価値アリ(北アルプス)

7月12日(金)、山旅専門誌『PEAKS』(ADDIX)の最新号が発売された。
その大特集は、

「北アルプス山小屋大全2024」。

北アルプスには約100軒の山小屋が建っているわけだが、この特集には編集部員やライターが実際に足を運んで得た各小屋の情報が、100ページ以上にわたってまとめられている。取材は昨年の夏から秋にかけて行われ、私もいちライターとして3つの山小屋を取材した。

じつはこの特集は、13年前に発行された『PEAKS』2011年7月号のリバイバル版。私の記憶が正しければ、当時この号は人気のあまり完売していた。

オンライン書店「Fujisan.co.jp」より(https://www.fujisan.co.jp/product/1281690241/b/653841/

今回、私が担当したのは裏銀座エリアの山小屋だった。3軒の山小屋を取材するために、伊那から登山口の新穂高温泉まで車を走らせ、そこから3泊4日かけて縦走したわけだけど……冷静に考えると、タイパもコスパも悪すぎる。麓の宿取材だったら、4日もあれば倍以上の軒数をこなせただろう。
(ちなみに本当は2泊3日のはずだったけど、荒天で1日停滞していたので3泊4日になってしまった)

13年前ならともかく、山小屋の電波環境もだいぶ整ってきた今、わざわざ人海戦術で約100軒の山小屋のリアル取材を決行するなんて……。取材の依頼を受けたときは、その非効率的な道をあえて選択するPEAKS編集部に心から尊敬の念を抱いた。(関係者のみなさま、本当にお疲れさまでした!)

ただ一方で、デジタル化が加速している今だからこそ、こういった現地に行かないと得られない一次情報を「紙」にまとめることに意義があるのでは、とも強く思う。ネット検索しても生成AIに質問してもたどり着けない情報には一定の価値があるだろうし、雑誌などの紙に印刷された情報は、少なくともその紙が存在する限りあり続けるからだ。空間コンピューティング時代が本格的にやってきたら、また違った考え方になるのかもしれないけど……。

それはさておき、PEAKSに関わる編集部員&ライターが、それぞれの足で歩いて得てきた山小屋情報がギュッと詰まった一冊。ぜひご一読を!

道中、三俣蓮華岳の山頂付近で登山道整備をしている方々に遭遇。1本だけ、土留め用の木に釘を打たせてもらった。
ランプ灯る槍平小屋のエントランス。自炊スペースで一息ついていた紳士の背中が素敵だった。


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