情報過多な日常で、意図して「偶然」をつくっていく
何をするにしても情報過多になりすぎていて、「偶然」が減っている。
情報過多になったとしても、情報を取りにいかない、受け取らないと自分で選択していたら良いのだろうが、つい癖で調べてしまう。
つい癖で。
なんともまぁ厄介なしろものだ。
偶然が減ったことにより、失ったものを痛烈に感じた旅行。
こちらの写真。
長野県奥蓼科にある小さな池。御射鹿池での一枚。東山魁夷さんの緑響くのモチーフになったと言われる池。
キレイなリフレクションで、東山魁夷さんの絵画を思い出す。
とはいえ、感動が全くなかった。
事前に調べて情報を得てから行ったから。
「あっ、こんな感じの池か」
それが本心だった。
すごく良いお天気だったのだけど。
もう一枚。上と似た写真。
2016年に一人旅で青森の奥入瀬渓流を散策していた時の一枚。緑の中をひたすら歩いていたら、突然現れた沼(蔦沼という)。
「わっ、東山魁夷さんの作品‼‼‼」
ボッチ旅とは思えない、声が漏れるほど感動した景色。
青森ひとり旅の時は、おそらく仕事にかまけて全然下調べをしないまま、どうにか飛行機に飛び乗って、辿り着いた奥入瀬渓流で、言葉を失う感動を何度も何度も味わった旅だった。
何が違うのか。
事前の情報量が違う。
一度見たことのある景色だったから、感動が薄かったんじゃない。偶然がなさすぎて、全部予定調和なのだ。
ここ最近の旅行はついつい下調べを多くししすぎてしまい予定調和になりやすい。
冒険心はあらどこへ。
じゃあ、奇跡!感動!心を揺さぶられるものに遭遇する頻度が減ったのか。
といえばそうでもなく。
例えば、上高地。
真っ青な空と緑と北アルプスの山々をここぞとばかりに主張するパンフレットやサイトたちを事前に見なかった。
もし天気が悪くて、その青空に会えなかったら後悔しそうだったから、調べてない。そして出会った景色は
もう最高だね、幸せだね。
単調な言葉のオンパレード。
さらにさらに、今回の旅で一番良かったのは女神湖。有名な白樺湖を超えて、奥に進んだところにあるマイナーな小さな湖。
夫が調べてくれて、アヒルボートがあるから娘と乗ろう。
美味しいピザがあるみたいだからそこに行こうと提案してくれた場所。
アヒルじゃなくて、どこの湖でもあるスワンボートに、美味しいピザとホットサンドのお店は定休日で行けなかったんだけど(笑)
ヤッホー!と手をあげる夫も可愛いし
わたし、運転できますから。
な娘も愛らしい。
極めつけがこちら。
カモの親子。
ビューンと飛ぶカモも、親カモが子カモを守る姿も初めて見たし、お客さんが少ないからかカモさんたちの寄り付きっぷりが良くて、もう満足満足。
純粋に楽しかった。
乗り物にも生き物にも、あまり興味を示さない人間だが、生き物と娘を寵愛する夫の提案に乗ったからこその偶然の出会い。
自分で過剰に情報を取りにいかないことも大切だけど、私の場合は、誰かに『委ねる』ってことが必要かもなと。
任せる。委ねる。
自分でコントロールしすぎない。
委ねたからこその偶然を楽しむ。
感動の薄かった一枚の写真と、何度も見返しちゃうカモの親子の写真。
誰かに何かに委ねてみる。
力を抜かないと委ねられないなぁ。
空を見上げて、ふぅぅと息を吐く。
きっと委ねられる。
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