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iPhoneによると、1月は366,079歩歩いた。何のことやらという感じだが、「1月は毎日1万歩以上歩くか、1日10km走る」という目標を立てたのである。

昨年は9月からガチの繁忙期が始まり、12月31日までの4か月をほぼ仕事部屋で過ごした。だいたい毎年、秋になるとジョギング(という名の、近所を発作的に走り回る行為)をするのだが、それもまるでできず、朝から晩までぶっ通しで机に向かう日々。結果、年が改まった頃からどうにも心身が、ずっしりと水を含んだ古い布団のように感じられるようになってしまった。このままではそう遠くないうちに、文章も淀むだろうと思った。書くために動けなくなり、クオリティ低下を招いて首が回らなくなる……などということになれば、もはやコントである。

「一に足腰、二に文体」というのは小説家・村上春樹の言葉である。精神的な鍛錬だけでは小説は書けない、体力が必須であると、彼は各種エッセイで書いている。早朝に起き、午前中はぶっ通しで仕事をして午後はランニングか水泳をし、雑用を片付けたあとに読書や音楽鑑賞をして9時には寝る。そうした彼の習慣が、息の長い活動に貢献するところは大きいだろう。

もうだめだ、足腰なのだ。そう思って目標を立て、よく歩いたしよく走った。だいたい毎年走りすぎて膝を壊しているのだが、10kmという制限をつけたりウォーキングも可としたのでそれもなかった。睡眠の質が向上し、少し体重が減った。ずっしりと水を含んだ古い布団、もとい心身も少しずつ復活し、本を読んだりアートに触れたりしてふかふかな状態を取り戻してきたように思う。

冷たく、じっとりと重たく濡れた布団の感覚はいつでもまた、私をとらえに来るだろう。好きな仕事に没頭していても、毎日が充実していると思っていても。なぜ頑張れないのか、なぜ元気が出ないのかと自分に問い続けても冷たい淀みからは抜け出せない。動くことでしか解決できないこともある。それはきっと、運命と同じように。


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