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推し映画について語る9:「ビリーブ 未来への大逆転」

「大事なことはみんな映画が教えてくれた」と言いたくなるような、大好きな映画について語りたいと思います。作品中、挫けかけた主人公が娘から「未来の私のために闘って」と言われるシーンがとても印象的で、大好きです。次の世代に、どんな未来を手渡したいのか?そのために今、大人である私達が踏ん張らないといけないんじゃないかと、力と勇気をくれる映画です。まだ観ていない方は、ぜひご覧いただきたいです。

推し映画について語る9:「ビリーブ 未来への大逆転」

昨年3月、シネ・リーブル神戸さんのお勧めPOPを観て興味を持った「ビリーブ 未来への大逆転」、原題は「On the Basis of Sex」。主演は「ローグ・ワン」のジンを演じたフェリシティ・ジョーンズです。想像以上に面白くて興奮しました。そして、性差による不自由な社会の”常識”を崩し、今の自由を世の中にもたらすきっかけになった案件をモチーフにした、素晴らしい法廷ドラマです。

時は1970年代、アメリカ。女性が職に就くのが難しく、自分の名前でクレジットカードさえ作れなかった時代に、弁護士ルース・ギンズバーグが勝利した、史上初の〈男女平等〉裁判。なぜ、彼女は法の専門家たちに〈100%負ける〉と断言された上訴に踏み切ったのか?そして、どうやって〈大逆転〉を成し遂げたのか?(公式サイトより)

主人公は、実在のスーパーヒーローであるルース・ベイダー・ギンズバーグ。87歳にして、現役のアメリカ最高裁判事です。彼女の甥であるダニエル・スティエプルマンが脚本を担当しています。

1970年代のアメリカが舞台。女性が自由に職業を選べず、結婚すれば過程に入ることを強制される――それが”常識”だった社会で、100年分の判例を覆し、性差別撤廃の裁判に初めて勝利した、女性弁護士ルース。これは彼女と、彼女の「家族」が一丸となって挑んだ戦いでした。

いま私達が、自分が望めば好きな場所で学べて、仕事ができて、何者にだってなれる自由を得られているのは、彼女のような先達者が壁をぶち破ってくれたからなんだなあと思うと、感謝しかないです。

印象的なシーン

鑑賞中、(1970年って、ほんのちょっと前でしかないのに…)と引いてしまうほど「男性は外で仕事、女性は家を守るのが仕事」論が炸裂する当時のアメリカにおいて、溜め込んだ怒りをパワーに転じて立ち上がったルース・ギンズバーグが本当にかっこよかったし、頼もしかったのです!いろんな障害や妨害があって、何度も”さすがに無理か”という壁の連続。けれど、不可能を可能にする意志の力ってすごいと思いました。彼女自身の努力の成果でもあるけど、台風の目みたいなパワーに、周囲がどんどん巻き込まれていくんですよね。なにかを成し遂げる人って、そういう巻き込む力が凄いんだなと思いました。

挫けそうになっても、彼女の娘が、再び立ち上がるパワーをくれたシーンが本当に熱くて。CM動画にもありますが、10代の娘が、ルースに「未来の私のために闘って」と言うんです。誰のために戦うのか。子供たちの未来のためだ。再び闘う意思を蘇らせたルースが、法廷で裁判官に「未来は変えられると信じていたい」と力強く告げるシーンに、胸が熱くなりました。

微笑ましいシーンのあれこれ

彼女の夫であるマーティンがまた有能な弁護士で、家で一緒に仕事してるのも、最高に好きなシーンでした。しかも旦那さんが美味しい料理作ってくれる(彼女は料理下手)とか、キュートすぎる。きっとこの辺も全部実話なんだろうな、と思うと微笑ましいです。

同じハーバード法科大学院の学生だったマーティンが癌になり、闘病中の彼に代わって授業に出席し、ノートを纏め続けたり…愛だなあと思いました。お互いを支え合って、理想のパートナーですよね。

あと、ルースが、とても愛くるしいのです。クール系というよりキュート。ワンピースとかコートとかヘアスタイルが本当に素敵でした。(実際のルース・ベイダー・ギンズバーグの写真を見ると、今も昔も、女優さんみたいに美しい方で、もうなんか、本当に凄い)

「RBG 最強の85才」

同年6月、同じくシネ・リーブル神戸さんで、ルース・ギンズバーグのドキュメンタリー映画が上映されました。勿論観に行きました!

ダイバーシティ&インクルージョンの教科書のような映画だと思いました。アメリカの若者からロックスター並みにリスペクトされ、愛されている女性です。美しくてチャーミングで、理知的でタフで、最高にかっこよい。

「RBG」は「ビリーブ」のラストのその後から、現在に至るまでが知れたし、ギンズバーグ判事の「仕事に対するスタンス」が窺い知れて面白かったです。夫であるマーティ氏とのパートナーシップも、本当に素敵でした。

今、私たちが手にしているあらゆる自由は、過去に誰かが闘って勝ち取ってくれた権利であるということを忘れてはいけないし、もし自分が何か理不尽な立場に立たされた時や、使命感を感じた時は、未来の誰かに向けて戦うべきだなと思わせてくれました。

めちゃくちゃ元気と勇気をもらえる、最高の映画2本です。未来は変えられると、私も、信じて動きたいです。



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