企画仕事の引継書 vol.3
企画仕事について綴るnote、3本目は「イベント企画の進め方」について纏めます。
2本目はセールスコンテンツの作り方について。
1本目は企画職に必要な素養について纏めています。
この秋に、大きな変化がありました。
10月から部署異動となり、新規営業に特化した部門の、専属の企画職となりました。
異動前はリクエストを頂いてから都度行っていたサポート業務が、今はメイン業務になった…という感じです。
営業企画部門に居た時よりも、「まだ粒度が細かく砕かれていない状態」の企画案件に取り組んだり、自分から企画仕事を掘り起こしたりしているので、かなり自由気儘にやらせてもらっています。
異動してみて、この「企画仕事の粒度の大きさ」は、企画職メンバーのキャリアや実力に見合うものであるべきだな…と感じています。
まだ年次や経験が浅い人には、なるべく細かく砕いた粒度の仕事(=作業)からスタートしてもらい、徐々に、本人のスキルとモチベーションに応じて、粒度を荒くした状態で任せていく(=権限移譲する)ことが理想的だなあと、しみじみ実感しました。
さて本題。
今回は「営業資料の作り方について」書こうとしましたが、先に書いてしまいたいものができたので、予定変更しました。
目下取り組んでいる、「イベント企画の進め方」について、重要だと感じていることを棚卸していきます。
現状、企画がスタートし、コンセプトや予算について社内の合意形成を終え、準備に向けて進み出したところです。
ここまで来るのに1か月半ほど経過していますが、どんな段取りで進めていったか、記しておこうと思います。
1.世界観の擦り合わせ
まずはイベントのオーナーに、イメージしている世界観をヒアリングします。
このイベントを開催することで、どういう状態になりたいか?
「開催ありき」ではあっても、開催することで、自社のベネフィットにどうリンクさせられるのか?
自分が納得いくまで、自分の言葉で世界観とゴールをアウトプットできるようになるまで、何度も対話を重ねます。
どんな利益を生み出せるのか、必死で考えます。
納得できるまで、オーナーに仮説をぶつけ、返され、より具体的な言葉に落とし込み、「それなら理解できる」と思える地点に到達できるまで、わかったフリをせず、素直に「わからないので教えてください」と尋ね続けます。
世界観を共有できるかどうかは、このキャッチボールの濃さがすべてでは、と感じています。
またオーナーとしても、世界観とベネフィットを繋げるロジックが明文化できてないだけであって、詳細を詰めれば同じゴールを目指せるケースは多いのではないかな…と思います。
この「イメージの擦り合わせ」と「ベネフィットの言語化」の作業は、プロジェクトに関わるメンバーの意識を同じ方向に向かわせる為にも重要なことです。
「大変だけど、仕事(命令)だからやるけど、正直、何でやってるのかわからない」状態が、モチベーション低下に繋がるし、目指したいゴールにも遠くなる遠因になり得るし、良いことないなと感じます。
2.企画書とスケジュール
ヒアリングを終えたら、アウトプットに取り掛かります。
企画書と、予算(見積書)の作成です。
(ここの見積書作成が、経験や社内ノウハウが蓄積されていないと、大変なんだろうな…と思います。前職で企画営業をしていて本当に良かった…と日々実感)
会議での承認を得たら、スケジュールを立てます。
この「スケジュールを立てる」というアクションが、何より大事だと感じています。
初めて取り掛かる企画であっても、どんなに難しい案件だと感じても、とりあえずスケジュールを引けば何とかなる!と思えます。
誰に、いつ、どう動いてもらうのか?を考え、発信しさえすれば、物事は動き出します。
とはいえ、「スケジュールを引く」という行為も、それなりにトレーニングが必要なんだろうなと思います。場数、経験が必要というか。
企画メンバーを育てたい時は、まず案件の「スケジュールと予算を作成」してもらって、アドバイスをしたり、一緒に手直しをしたりするのが手っ取り早いかもな、と思いました。
スケジュールを引くにあたって、最初から全ての日程をガチガチに固める必要はないと思っています。
「ここだけはズレるとヤバい」というマイルストーンを抑えておけば、初めから全部を決め切る必要はないかなと。
どうせちょっと先の未来はどんどん変わっていくので、わかる範囲でスケジュールを引いておいて、あとは随時、1〜2週間後のタスクを細かく定めていけたら良いかなと思います。
ただ、これだけは重要!という肝のタスクは、解像度をできるだけ高めておきたいものです。トップとの合意形成のタイミングとか、そこまでの根回しなど。
他部門との調整なんかも、5W1Hレベルで慎重に考えて、調整していきます。
3.進行管理
今回のイベント企画は、ざっくりと「会場・内容(全体)・内容(コンテンツ)・チーム進行・集客」の5ラインで、スケジュールを立てています。
スケジュール進行を管理するツールとしてベストなのは、Notionです!!!
実は部署異動してまず行ったのが、上司へのNotionの提案でした。
そして秒で承認を得て、11月からNotion、復活しましたー!!!万歳!!!
ひとまず社内で使っているのは私1人なんですが、今はそれで十分です…!
イベント企画のスケジュールを、タスクDB内に作成してしまえるので、日々のタスク進行の中で、イベントタスクをシームレスに進められて最高です。
やっぱりNotionしか勝たん。
イベントタスクがどんなに多くても、Notionという超優秀な秘書がいれば無敵です。怖いもの無しです!
自分がもう1人居る感覚に近いかもしれません。しかもこいつは記憶力が抜群に良い。最高の相棒です。
4.ハード面(会場や進行)
リアルイベントは、会場確保や進行が面倒だなと実感中です。予算のバッファを取っておいて本当に良かった。
進行は「妄想力」の勝負だなとつくづく感じます。
私の場合は、できるだけ早めに現地に赴いて「ありとあらゆる人の視点」で現場をイメージしていきます。
参加いただく方は勿論、運営に協力してもらう担当者や幹部、当日の進行スタッフなど。
満足度を高める為に何が必要か、どんな動線で動くべきか…を、当日の映像を現地で思い浮かべ、必要なあれこれを具体的にイメージしていきます。
その「妄想力」に必要なのは、これまでのインプット…現地参加の経験やバリエーションなのだろうなと思います。
自分が有している「引き出し」の数は、どれだけいろんな場を体験してきたか?によるので、WEBだけでなく、できるだけいろんな企画ごとに参加する・触れておくことが大事だなと感じます。
進行については、社内に過去開催時のマニアルが残っていればチェックします。ただしそのまま使う(依存する)ことはせず、ベースにしつつも、今回の企画に沿って新しく考え直すことが必要だと思います。
5.コンセプト(世界観の具体化)
オーナーが描いている世界観は、言ってみれば鉛筆で描いたラフスケッチのようなものだなと思います。たくさんの線がラフに描いてあって、なんかかっこよく感じる。でも一本の線で清書していくと、ありふれたものになっていく…そして感じる「もっとかっこいい絵に仕上がる筈だったのに!」
具体化する時に、もっとこうなる筈だった、という期待値を上回る仕上がりにしたいのですが、ここが結構難しいなと思っています。
予算が潤沢にあれば、イベント企画のプロに任せて、とことん世界観の具現化を突き詰めていけるんでしょうけど。
目指すゴールに直結するところなので、この問いを常に行ったり来たりしてコンセプトを固めていきます。
「どんな印象を持ってほしいか」
ここがイベント企画の目玉(コンセプト)になると思っています。
そして、私がいつも心掛けていることなのですが、イベント内で発信したいメッセージに、自分が伝えたいことを、少しだけ織り交ぜます。
勿論、オーナーの意向や考えと交わっていることが大前提なのですが、これに成功すると、自分のモチベーションが抜群に上がります。
追記(2023/11/26)
「どんな印象を持ってもらいたいか」=ブランディングと捉えてコンセプト作りを深めているのですが、非常に近い言語化をされていた方がいらしたので。
6.ツール企画について
些末なハウツーなのですが、
ツールやコンセプトのアウトプットを早急に行いたい時は、私は「ブレーン」を読みまくります。
強制的に、短時間で企画書やデザインラフを描きたい時には「ブレーン」。
いろんなクリエイティブや考えに触れることで、あらかじめ自分の中に蓄積してあった情報を苗床にした「種」を発芽させるイメージです。
クリエイティブの塊をぶつけてスパークさせ、新しいアイディアとして産み落とす的な作業。「種」を言語化していく作業でもあります。
7.今後のテーマ
企画書と予算、スケジュールとコンセプト(内容)が固まれば、あとは粛々と準備を進めていくのみですが、目下、今後のテーマとしては「他部門連携において、いかに楽しく・気持ちよく巻き込まれてもらうか?」という点です。
ここがなかなか難しい。
ゴールを共有することが最適解だと思いますが、関わる人・部門が多くなればなるほど、距離が遠くなるので、「やらされ感」が出てきてしまうものです。
どんな企画も詰まるところ、成功するかどうかは、関わる大勢の人が「同じゴールを目指せるか・一体感を持って進んでいけるか」だと思うので、組織の問題ですね。
使命感だけでなく、楽しんでやってもらえるようにするにはどうしたらいいか。企画を進めながら、追求していきたいと思います。
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