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#10 それは本当に解決策ですか?

※この記事は「マーケティングをかたらふ夜話」のコンテンツです。よろしければマガジンの方もご覧ください。

以前に、ある中小企業の経営者の方とお話させていただいた時のこと。その方からの最初のご要望は複数のECサイトでの商品画像や情報の一括アップロードシステムの導入についてでした。

過去に期待値をあやふやにしたまま請負業務をして痛い思い経験している私は、その方にこんな質問をしました。

「このシステムの導入の目的は何ですか?」

彼は「もちろん、売上アップです!」と答えられました。

一見ふつうに見えるこの問答ですが、実はかみ合っていません。なぜならば、こちらの会社では複数のECショップで同じほぼ商品情報を使用していたため、システムによる一括アップロードは、作業の手間を省くことはできますが、それにより直接的な売上アップにはつながらないと感じたからです。

私は正直に、システムを導入してもそれ自体で大きな売上アップに貢献にはつながらないこと、ただし、運用コスト削減や運用リソース配分の最適化としては効果が見込めそうなので、それらも併せて検討すべきではないかと伝えましたが、結局納得いただけませんでした。

実はこのケースのように、経営者や事業責任者の方と会話させていただくと、実行されようとしている行動とその根源にある課題やオポチュニティ(成長機会)に大きなズレが生じている場合は少なくありません。

特にシステム導入やウェブサイト、ウェブアプリについては、多くの方が「夢が何でも叶う魔法の箱」と思い込んでいるケースがあります。

実際はそんなことはなく、システムについては、人間が行っている作業のオートメーション化に過ぎないですし、ウェブサイトやウェブアプリは集まってきてくれたお客様の受け皿にすぎません。

それらは導入する目的を明確にして、そのために必要な運用や集客などのスキームを構築してあげることで、課題を解決や成長機会の最大化に大きく寄与できるのです。

ここが理解できないと多くの場合で、導入コストが無駄になってしまいます。(これは本当に多くの会社で生じている問題です!)

目的に沿ったシステムやウェブサイト、ウェブアプリなどを導入することは私が携わったほとんどのケースで良い結果をもたらしますし、導入企業側でも満足いただくことができます。

システムやウェブサイトなどの導入は一部のサブスクを除いて、決して安い投資ではないと思います。それらの導入や構築で迷うことがあったら、信頼できる第三者に客観的な視点からコンサルティングを依頼されることを強くおすすめいたします!

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