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四国歩き遍路日記 20日目
3月12日
6時からのお勤めに出る。人はいっぱい泊まってるはずなのに、参加者は3人だけだった。
お勤めって出る前はかったるいなーと思うが、出てみるとまあこういうのも悪くないなと思うのがいつものパターンだ。住職の話しが少し長く、久しぶりに校長の長い話しを聞く学生の気分だった。
7時半ごろ出て、56号を行く。次の38番まで80キロ以上あるそうで、ここが四国遍路のなかで一番長い札所間らしい。
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黄色い地図も手に入ったことだし、今日は珍しく国道ではなく遍路道を歩きたい気分だったが、さっそく分岐点に気づかず通りすぎてしまう。
どうでもいいことばかりうだうだ考えながら歩いているので、周りの景色が目に入ってないのだ。
今度こそ見過ごすまいと、ようやく遍路道に入る。
山間の田園風景を眺めながら、川沿いの道をのんびりと歩いていく。俺はいつも遍路道をスルーすることが多いが、やはり国道より変化に富んでおもしろい(もっともそう思えるのは、今日みたいに峠道でなければの話だが)。
人里離れた道を鉄道が走っていて、なんとも趣があった。
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途中、熊井トンネルという古いトンネルがあるそうで楽しみにしていたが、道路工事の通行止めで見られなかったのが残念だった。
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昼飯をあてにしていた道の駅が休業日で、いつものように昼飯難民になる。仕方ないので、黄色い本の表記を信じて進んでいったらちゃんとうどん屋があって助かった。
この本、高いわ見にくいわで不満は多いが、必要な情報が載っているのでやはり必須だと思う。特に歩き遍路の場合、宿から宿へ歩いていくことになるので、地図上に宿が記されているのが計画を立てる上で肝要なのだ。
山間部を抜け海に出て、15時に宿に到着。今日はずっと同じおっちゃんと抜きつ抜かれつしていたが、宿も同じだった。
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宿は勝手にボロそうなイメージを抱いていたのだが、若い夫婦でやってるみたいで、細かいところまで行き届いていた。ただ、部屋の机の上に怪しげな宗教の本が置かれていたが。
足摺岬から先、39番に行くルートは二つあるが、俺はぐるっと海をまわっていく方に決めていた。月山神社に行きたかったし、ジョン万次郎の生地にも行きたかったし、少しでも太平洋沿いの道を歩きたかったからだ。
昨日の悪部屋のせいで逆にばっちりプラン立てはできていたので、今日は宿の予約だけしようと電話したら、叶崎にある二つの宿が休業中と廃業で途方に暮れてしまった。どうしようもないので急遽また計画を立て直し、別の宿に電話したがそこももう廃業したとのこと。
結局、宿というか居酒屋がやってるライダーズハウスみたいなところが取れたが、この月山神社ルート、泊まれるところがなくて物理的に立ち往生してしまう人もいるんじゃなかろうか。
まあ、ともかくこの区間さえ乗り切ればいいのだから、細かいことにはこだわらず鷹揚にいきたい。
19時45分 泊:民宿たかはま(素泊4000円)
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