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四国歩き遍路日記 38日目

3月30日

7時に出る。
なか卯があったので食べていく。今日は札所はなくひたすら歩くだけだが、40キロ位ある。

まず11号をずっと歩いていくが、歩道が無くなったり、反対側に移ったりして歩き辛い。

その内、旧街道に入っていったが、こっちはこっちで狭い道を車が飛ばしてきて全然落ち着かない。そして雨も降ってきてしまった。予報では大丈夫なはずだったが仕方がない。雨具を来て進む。

相変わらず車の往来が激しい狭い道が続きクサクサしていたが、突然アーケードの商店街が現れた。喜光地商店街というらしい。

昭和な雰囲気にうきうきしながら歩いていく。が、やはりシャッターが閉じている店が多く、かつての賑わいを想像すると侘しい。
このあたりは、金毘羅宮への街道と別子銅山への輸送路が交わる商業の中心地として栄えていたそうだ。

昼過ぎに雨が止み雨具をしまったが、しばらくしたら再び降ってきて、うんざりしながらまた雨具を着て靴を履き替える。

途中、プレハブの豪華な休憩所があり、冷蔵庫にはお茶やジュースが入っていてありがたかった。

ここまで歩いてきたんだなあとしみじみ感じる


 雨の中歩いていくと小さな陸橋があり、その下にベンチがあって休めるようになっていた。

雨宿りは心が落ち着く。ここでぼーっとしながら、いつものようにとりとめのないことを考えていた。

死と老いなんて遠い未来のことだと思ってたのに、いつの間にかアラフォーになってしまった。同世代の人間でもすでに亡くなってしまった人なんていくらでもいるのに、自分はまだなんだかんだと生きていて、こんなところでこうして雨宿りしている。

人生、後悔と空しさばかりだが、こうしたたまに訪れる生に対する漠然とした肯定感を拠り所にして、なんとか生きていける気がする。

また11号に合流してひたすら歩き、まだかまだかと思いながら歩き続け、ようやく17時頃宿に到着。

今日もがっつり歩いてぐったりした。以前は、15時頃に宿に入る日が多かったのに、ここのところ結構大変な行程ばかりになってしまっている。急いでるわけでもないんだし、もっとゆっくり進んでも良かった。
あらかじめ宿をまとめて予約しておいたので、なにも考えずに歩いて行けるのは楽なのだが、ペースの変更ができなくなってしまっている。

今日は国道にしても旧街道にしても気持ちよく歩けず、また二度雨に降られてうんざりした。しかし、喜光地商店街や陸橋での雨宿りは心地よいひと時だった。当たり前のことだが、雨が降らなきゃ雨宿りもできないのである。

明日、明後日といよいよ最後の大きな山登りだ。人生を肯定的に生きたい。

19時29分 ビジネスホテルマイルド (朝付:4800円)

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