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創作界隈が美大化してきてるなって話

前置き

 さて、創作界隈というとあまりにも多岐にわたる業界になっており
こういった書き方だとあまりにも横暴な気はするが、本質は全てに通じているものであるため、タイトルでは偉そうに "創作界隈が美大化してきてるなって話" と書きました

10年前から急速に加速している事

 創作界隈に関して
ここ10年 2012年位youtubeが広告収入提供を始めて、創作人口は爆増しました。11年目になりましたがこの11年の間で時代は大きく変わりました、あまりにも早すぎて人間の脳がついていけない位に
音楽界隈もゲーム界隈も、イラスト界隈、動画界隈あらゆる界隈全て変わってしまったのです、更に現在も変わりつづけているのです

具体的にどう変わっていったか

まず横と縦に巣が急拡大しました
横はつまりジャンル数です
縦は規模

 例として言うとゲームを作るというのは昔は大規模且つ高価なマシンでないと開発出来なかったものが今は個人が個人用のマシン、20万くらいのPCでもあれば作るのに困る事は無くなった訳です
アニメもそうでしょう、今も昔もとにかく数を撒くのが大前提だったのは変わりませんが、今はufotableがあのレベルの撮処理と作画をこなして週公開出来てます、昔なら無理です、今は出来るようになりました
まとめると

は市場の需要に応じて展開されていきます、ジャンルなので

ハードウェアの進化先端を走る化け物クリエイターや会社技術開拓を行う事で深まっていく領域です 投入できる規模

 何故この縦と横が同時に急拡大したのかといえば、ご存じの通りインターネットが原因です、技術がパブリックに公開され、先端を突っ走る人間もそれについていく人間も、そのパブリックになった技術を修得して開拓する
つまりカイタクスループに入った訳です、書籍とか一子相伝とか徒弟制度なんてものは既に崩壊してしまっており、真剣に学ぶ意欲があるかどうか気づき 以外の要素はあまり重要ではなくなった為、素人もプロも差が無くなってしまった訳です、この流れはyoutuberと芸人の関係と一緒かと思います

さて、更に重要な事として

創作界隈=凄いデカい美大みたいになってる!!


これは 今の東京藝術大学 1947年に送られた訓示です

諸君らのうち宝石はたった一粒です。その一粒を見つけるために君らを集めた。他は石にすぎません

 この言葉は本当だと思います、創作界隈には答えが無い事も合わせて、とてもでかい美大なんだなと状況が重なり懐かしく苦しい記憶がフラッシュバックるのです、正直美大なんて"俺はよく分からんが新しい事考えろ"って放任主義的にテーマと課題ぶん投げて卒業させる組織なので、卒業が無い分創作界隈の方が地獄だなと思います

 創作界隈にあるのは資金的な事情や精神的な事情を省みて今自分がやってる事を諦める続けるかだけという事です、美大生は所詮学生なので命が掛かっていませんが、学生という身分でないなら命もしくは生活が掛かっています、創作が評価されずお金にならないという状況であれば生活の為に諦める事も勇気です、生活と精神を犠牲にして続ける事も勇気です

正解はない、であるから創作界隈は地獄を加速させます

 人は元来何かに縋りたい本能を持っています、正解を教えてくれどうしたらいいか教えてくれという弱さを抱えています だから組織が必要なのです
 しかし環境によってその真実がより可視化されてるか隠されてるかという話なだけで、正解なんて実際のところ、どこにも無いが答えなのです、創作界隈はその現実を直視し続ける必要があって、9割は財布が潤う事も無く、結構タフな精神を要求されるのです、そこにいれば必ず評価される事はない厳しいサバンナです
なんて長文の前提を書きましたが、これは読み飛ばしても良いです

じゃあなんで急速に美大化してきたと思うのよ

 実のとこ言うと10~20年前までは、”デジタル上でその作業が出来る事”自体に価値がしっかり担保されてました、動画編集出来る 絵が描ける CGが出来る プログラミングが出来る、それが出来れば後は技術を伸ばせばある程度安泰な面があったのです、それが急速にHow Toが増えたり、ハードウェアが安くなったり 企業がそれら技術の先行者と契約したりエンタメのジャンルが急拡大したり と、色々あったお陰で
”その作業が出来る人が滅茶苦茶増えた”わけです、そうなると 

作業者である事の価値が薄れます

次に評価されるのは当然発想者な訳です

 つまり美大の理念に近づきます、新しい発想をこの世に生み落とせと
これに関しては白物家電とか半導体技術者が軽視された日本の歴史が繰り返されてるだけかなと思いますが、実際のとこグローバリズムってどうあがいてもそうなるので、(家電は人口が増えれば売上が上がるし減れば下がるので、新しい機能製品が出なくなったらその時点で市場が停滞する事が決まっていて結果的に内部技術者が他業種に流出するとかそういう話)

 今は作業者より発想者の価値が優先される時代になったという事だと思います、なので美大化、 30年前だったら工業大学化してるな(キリッ)みたいな記事書いてたかもですね、生まれて無いけど

 まぁとかく、それを明確に表しているのは作画アニメの仕事だと思います
やってる作業はとても凄い事だし、あんなアニメーション描けるのかよすげぇよ!と思います、私は絵がまともに描けないので尊敬していますが
やってる事に対してお金薄くない?って問題は度々上がる訳です

それは簡単で、生産性を上げようが無い業種の割に、入ってくる収入が薄いんです 売上を維持したいなら世界向けに作品をコンスタントに作り続けるしかないわけです日本のアニメと邦画が苦しくなったのは正に小さい市場の日本向けにしか作品を作ってこれなかったからなわけで、世界規模のディズニーが何故作画アニメーターを切り離して3Dに舵を切ったかもここに原因があるのは明白で、3Dは生産性を上げる余地があるんです、作ったアセットは資産に出来るし、技術特許もとりやすい

2Dは残念ながらやってる事は素晴らしくとも、自由経済の中の炭鉱のカナリアみたく、白物家電の業界のように、掘り下げれる市場を全て掘ってしまったからジリ貧になってしまっている

例として作画アニメを上げましたが、この10年で全ての創作界隈はこの問題に直面しだしたわけです、いつの間にか作業者の市場価値が下がった、例として明確なのが作画アニメだった訳です、AIもまた利用する上での法がはっきりした場合に起こる事は、作業者の市場価値を下げる事 なわけです
つまり今、世界は新しい発想を過剰に求める風潮になってしまっているという事

だからどうしたまとめ

さて、"作業者である事"自体の価値が減って発想者が評価されるようになったよ
と言った所で、人間いきなりお金の稼ぎ方とか良いアイデアの出し方なんてそう簡単に生み出せるわけが無い訳です、私もどうなるんだろうなーとか色々頭を巡らせてますが、答えがないのも知ってるのでぼーーーーっとしてます

結局急いで”発想者を増やした”ところで発想者がより多くなった時必要になるのはその発想を実現する為に必要な分の作業者な訳です、どっかでバランスを取るような動きが発生するのかもなーとも思いますが、AI技術とか一人でやれちゃう時代が現に近づいてきちゃってる訳で、この辺の予測はまだ出来ないなと思います

一時期の自動車産業にあった技術者と作業者の関係が、今は発想者と作業者の関係にシフトしたって事なんだろうけど、時の流れが加速し続けてて疲れちゃいますよねー


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