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ICT環境は学びを変えていくのだろうか?

先日、NEW EDUCATION EXPO 2019 大阪会場に足を運んできました。ICT教育設備機器を取り扱う企業が多数出展され、また多くの話題提供や意見交換が行われました。

ICT活用のためのルールをどうするか?

 ICT活用に関して問題となるのは、生徒側にネットやPC等を利用する際のルールをきちんと守らせるにはどうするか、ICT活用に関して一人の教員に負担をさせないようにはどうするかということです。教育現場で二の足を踏む大きな理由として、ICTスキルに関して生徒が教員を超えてしまうことがあります。例えば、海外でも青少年ハッカー集団は問題になるそうで、学校のシステムを悪用したり、ネットを通じて様々な犯罪に繋がる恐れがあるという点。このような場合は、いかに学校側が管理するのかや監視に向かってしまうのですが、家庭も含めてどうルール化して、それを子どもたちが守れるようにするかが非常に重要です。

ICT教育設備機器は、以前に比べ、かなり導入しやすい価格帯や内容(セキュリティも含め)になってきています。もちろん生徒1人1台の予算をどうするか?ということもあるのですが、そもそも教員と生徒、そして保護者が納得でき、実効性のあるICT活用に関するルールづくりがけっこう導入判断においてはとても大事です。また当然 ICT環境を整備するにあたって運用面で、教員に負担をさせないようにする必要もあります。そうでないと、結局今まで通りが妥当だねということで、遅々として進まないということになるからです。

諸外国との比較からICT活用を考える

ちなみにICT活用に関して、現状はどうなっているかというと、OECD加盟国の学習到達度調査(PISA)の2009年と2015年調査結果の比較となりますが、日本の場合ほとんど活用されていないという驚きの結果もでているのです。

※国際大学GLOCOM豊福晋平「ICTで変える国語授業 in 関西」資料より抜粋

だからといって、日本の学校ではICT活用ができていないということではなく、先進的に取り組んでいる学校や先生方はおられます。教職員どうしで情報交換がされていなかったりとまた別の問題もあるのですが、ICT活用によって今までの授業とは全く異なるアプローチができているという個別の実践例も着実に増えています。

予算の問題、セキュリティの問題、利活用についてかつて議論された当時の情報からのアップデートが必要です。海外の教育現場では、規模やスピードの違いはあるものの、ICT活用を含めたデジタル化は確実に進んでいます。インターネットやパソコンを使った教育が前提となっているのです。グローバル化し、社会構造も急速に変化している日本で、これからを生きる子どもたちの教育のあり方が、まさに今問われているとも言えます。

過去の失敗や恐れに囚われない

ICT環境は学びを大きく変えていける可能性があります。それは、個別化であったり、双方向型であり、学びの意欲や動機づけであったり、それを大人の都合で閉ざしてはならないと思います。まずはできることからやってみる。そこから始めていこうと思うのです。

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