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人生最大の地獄。リーマンショックによりヨーロッパで無職を経験した後、マイクロソフトに辿り着くまで ~プログラミング未経験の僕が、海外マイクロソフトに就職し、独立開業を始めるまで~

平和な日々の終わりは、かのリーマン・ショックとともに引き起こされました。

当時ニュースで、リーマン・ブラザーズが経営破綻した事が報じられ、その余波が世界中に飛び火する、というような事が囁かれはじめていました。

僕はその時に、「うちの会社は金融系のはずだけど大丈夫だろうか?」と少し不安になりましたが、その後数日は特に変わった様子は無く平穏な日々が続いていました。


しかし、全ての終わりはあまりにも突然にやってきました・・・


ある日、いつも通り出勤すると、ダニエルに突然小さな会議室に呼び出されました。なんとなく空気感で良く無い話である事は悟りました・・・
そこにおいてあったのは、いわゆる従業員を首にするために用意された書類。その瞬間に全てを悟りました。

「俺は、この会社を首になったのだな・・・」

と・・・

当時は頭が真っ青になり、そこで全ての思考が停止し、もう何も考えられませんでした。
あれだけ強面なダニエルが、僕の顔を直視できなかったようで、その瞬間に「これは彼の決断でなく、もっと上の決断だ」という事を悟りました。

数日前まで笑顔で言葉を交わしていた相手が、顔すら合わせることが出来ず、こんなにも無口になるのか

僕は仲間にさよならをいう事も出来ず、紙切れ1枚を書き上げたその瞬間に、荷物をまとめてオフィスを出ていく事になりました。

最後、プログラミングが全く出来なかった僕を『(心意気や根性が)気に入った』と言って、雇ってくれた恩師のダニエル

そのダニエルに泣きながら謝罪をされた時、僕も泣き崩れそうになった事を覚えています。

帰りの電車の中、改めて冷静に自分の置かれた状況を考えると、不安と恐怖と悲しさでいっぱいになり、思わずトイレに駆け込み、すすり泣きしながら嘔吐したのを覚えています。

つかの間の黄金時代は全て過去の記憶になり、目の前に叩きつけられたむごたらしい現実。

日本ならば、まだ機会を求めて動き出せるだろうが
海外で、それもあまりにも突然失業してしまった・・・このショックの大きさは、到底受け入れられるものではありませんでした

一気に襲ってきた大きな不安に、自分の心は押しつぶされそうになっていました。

この時、失業手当を貰うために、ドイツの労働局に行ったのですが、その絶望感というか、とても重たい空気をはっきりと今も覚えています。

だんだんと目に力が入らなくなり、食事も喉を通らなくなって、ただ部屋に引きこもる日々。極度に人間追い詰められると日の光に当たる事も避けるようになるのだと、この時気が付きました。

当時はひたすら焦燥感に打ちひしがれていました・・・

親にもこの状況を伝えようと思ったのですが、流石に今回は心配をかけるとまずいと思い、暫く伏せる事にしました。

どんどん心が弱くなっていく自分。このままではさすがにまずいと思い、気晴らしに車でアウトバーンを走る事に。

その時に先に大きな虹がかかっていて、それをくぐった時になぜかわからないが、少し心が救われたというか、先に期待が持てるような楽観的な気持ちになりました。

その翌日。
当時、アメリカやヨーロッパでは、ビジネス向けのSNSとして、近年日本でも主流になってきた『Linkedin』というSNSが流通しており

そのLinkedinから某企業のリクルーターより、求人の連絡が来ていました。

そう、それが

ドイツのマイクロソフトからの連絡だったのです・・・


次回に続く

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