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過去の時間をとっておけるとしたら?

図書館へ行ったとき、貸し出しカウンター近くの「返却されたばかりの本」の棚にあったこちらの本。
どんな本かまったくわからず、パラリともせずに、なんとなくタイトルが気になって借りてきたのですが、とても良い意味で期待を裏切ってくれる本でした。

『The Traveler スーツケースに時間をつめて』
ダレン・シムキン 文・絵
ダニエル・シムキン 絵
角田光代 訳
講談社

小さめの単行本でしたが読み始めてから気付きました。
大人向けの「絵本」でした!
表紙からはまったく想像していなかったのでびっくりです。

パパもママも優しいし、お友だちもいるし、犬もいるし、そこそこ満足。
でも、パパとママは時にはうるさいし、友だちはおもちゃを壊したりするし、犬のノミには二度かまれたし…。

「僕の人生が完璧になる場所を見つけるんだ」

チャーリーは旅に出ることに決めます。
今まで過ごした時間、ぼくの過去の全部を、屋根裏部屋から出してきたスーツケースに詰め込んで。

歩いて歩いて歩き続け、いく晩もいく晩もひとりで眠る。
でも、スーツケースを見ると安心。
僕は過去を持って旅している。
もうじき人生が完璧になる場所を見つけるんだ。

その後、チャーリーの旅は、人生は、どうなるでしょうか。
人生が完璧になる場所を見つけられたのでしょうか。

10分もかからず読み終えられる本なので、良かったら図書館などでお手にとってみてください。


過去の時間を全てスーツケースに詰めて持ち歩けるとしたら、私は持って歩きたいのだろうか?

いや、持って歩かないにしても、そのまんま過去の時間をまるっととっておけるとしたら?

人生の中で、あの時ああしていてれば!あれをしなければ!と思うことはたくさんあります。

でも、仮に時間が巻き戻ったとしても、その経験を経ていない私が、同じ境遇、同じ場面に出会ったら、結果は一緒だったんじゃないかな、と思うわけです。
つまり、人生やり直しても、今の私なんじゃないかな、と。
良い意味でも、悪い意味でも…。苦笑

偶然出会えたような人たちや、ありがたい経験のひとつひとつも、偶然のようでいて、たぶん偶然じゃない。
お互いに意識してないレベルの小さな選択の積み重ねで出会えた、経験できたことなんだと思うのです。

とはいえ、この地球上で同じ時代に生まれたことや、生まれ落ちた地理的なこと、家庭などは、選択できないわけですからね。全てが偶然といえば偶然でもあるのでしょう。

さっきの問いについてですが、過去の時間はとっておく必要ないですね。
もう一度味わっている時間も、やり直してる時間もないもの。

とは言ってみたものの、大切な人を失うと、その人との思い出の時間だけはスーツケースにとっておきたいと思う…。

でもでも、一歩引いて見れば、悲しみも、喜びも、過ぎ去っていくから特別だし、忘れていくから生きていけるし、瞬間瞬間だから最高なんじゃないかしらね。

今は、日々成長している娘を横目に、大人も負けてられないぞ!と、私にやれることをやって、好きなこともやって、楽しむのみ。

お友だちから教えてもらった「毎日脳トレ」というアプリで、娘と得点を競いつつ、ボケ防止に勤しむ日々でもあります笑

おばあちゃんになっても、毎日楽しく生きていたい♡(脳トレ必要)

本の内容に微塵も関係ないけど、「毎日脳トレ」もおすすめです。


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