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事業計画②(重要!)事業計画と社会労務

社会保険労務士の仕事を皆さんご存知ですか?

皆さんの会社は社会保険労務士さんと契約をしておりますか?僕も創業時から父の紹介でずっと同じ方に依頼をしてきた。皆さんは社会労務士さんがどのような仕事をされるかご存知でしょうか。僕はすごく失礼な言い方ですがスタッフの雇用保険や、労働保険、一部社員の社会保険の入退会を手続きすることくらいにしか考えていませんでした。顧問料は確か当時は月に2万円。大きいのか小さいのか気にならない程度でただ用事があるときだけ来てもらって手続きの打ち合わせをちょろっとして終わり。そういうお付き合いだった。しかし、ここ3年前から社労士さんを思い切って若い方に変えてみた。(でも僕より少し年上かな)今や、毎月その方とは半日以上必ず顔合わせてミーティングをする。課題も毎月ある。そしてその社労士のアシスタントともさらに別のミーティングをする。もちろんどちらの方にも僕の経営判断についても相談というか今何を考えているか、将来何をしたいか、しっかり話す。

中小企業の一番グレーで汚いところ。

一体何を話すのか。これは単純に労働環境の改善だ。中小企業の社長の一番やってはいけないところを以下に列記しようと思う。暴露するのではない。自分もやっていたのだ。(まだ改善できていないところもあるのでこれはスタッフに申し訳ない想いも持ちながら改善を進めている。)

①勤務時間が不明瞭。所定労働時間が不明瞭。(ちょっと前は200時間以上が残業などと謎のルールを作っていた気もする。。。俺は若いころは陰でひたすら練習したりコツコツやってたんだよっ!)

②有給、半年以上勤務すれば全員に権利がある。(そんなもんつけてたら人件費半端ないじゃないか・・・。)

③雇用保険、何時間以上だと加入義務がある。(そんなもん。・・・同じセリフ)

④アルバイトにも社会保険の加入義務ができた。(なんで会社が負担しなきゃなんねーんだよ。)

⑤昇給、評価、賞与の基準が不明瞭。(君はまだまだ半人前だ!とても昇給なんて・・・)

⑥スタッフをむやみに解雇できない。(君、気にいらないからとか、遅刻とかミスばっかりして使えないからとかという理由はダメなのですよ。)

はい。挙げればきりがないですね。そして対応しているほどコストが目に見えて上がりますね。そこでここ2、3年で噴出してきた言葉が「ブラック企業」なる言葉です。そう、この言葉は決して経営者が付けた言葉じゃないんです。きっと従業員の誰かが自分の所属する企業を揶揄するために使い始めた言葉なんです。そして本当に一番いけないことだと思うのですがとうとう経営者までもが「うちはブラックだからよー。」と悪びれることもなく言い始め中小企業経営者同士、傷を嘗めあっているということです。

人に自分の店を任せるにあたって

前回の事業改革①で話に出たドトールの店長。彼女に全権を任せるに当たって、思い切って仕事してもらうために一番手を付けなくてはならなかったのがそう、この労務の仕事だったのです。グレーな部分は今までは経営者の腹の中一つで采配していたわけです。その腹をここまで僕と一緒に頑張る宣言をしてくれた店長に分とうとは到底思えなかったのです。

そこで残業、有給、時給、契約事項を店長と共に就業規則に基づいて読み合わせを何度もし、わからないことは社労士と話し合い、修正すべき事項は何度もしてきたのです。今や店長だけではなく他の社員たちも採用面談から契約、評価改定までを分担してできることになっているようです。(僕は結果を聞いてただただ感心して褒めるだけ。。。)雇用保険、社会保険も対象者はほぼしっかり手続きを完了しました。こうして3年くらいかけてこのような状況を改善してきたわけです。

ところが良い話だけではないのです。当然ドトールFCを運営する株式会社ラダーは社会保険料が納付ベースで毎月60万円近くに上がりました。そして毎年継続するスタッフも評価が上がり基本給が上がり、千葉県のアルバイト最低賃金基準もどんどん上がり。人件費コストは上がる一方!と思っていました。赤字改善ははるか遠くに霞んで見えました。(この続きは次回に待たします。)

(今日のまとめ)ここからは発想を変えましょう

今はネット調べれば労務に関する情報は何でも出てくるんです。従業員はなんでも知っているんです。簡単に他の会社と自分の会社を比べることができるんです。一番いけないのはアップデートされて行かない僕ら経営者の頭です。従業員に正確に答えられない暗黙の自主基準は捨てるべきなんです。じゃあこの払えもしないコストアップを丸呑みするのか!と怒られそうですが、そもそもこのようなコストに目をつぶって設定されている私たちの商品価格、サービス価格、そしてビジネスモデルそのものが間違えているのではないのでしょうか。僕は少なくともそう思うように発想を変えたのです。これが経営力向上、事業改革計画の原点でもあります。

もう一度以前の僕のnoteでの中小企業経営力向上計画の指針を見直してください。業種にかかわらず求められていることは①労働生産性の向上。これは一人当たりがいかに効率よく多くの商品を作り出し、販売できるかを意味します。これは機械を導入して達成することもできるし、労働環境を改善して従業員の「気持ち」を向上させることでも達成することができるのです。それから②現行の商品、サービスに対するさらなる付加価値の設定。世の中は戦後最大の経済停滞と言われますがだからと言って安売りはしてはいけないのです。お金が借りやすい今、僕らが考えるべきは存続、生き延びを越えて働いてくれている仲間の価値も盛り込んだ新たな価値を作るもしくは今までの価値を見直す。そのためにはなんと労務から見直しを始めていかないとこの発想には至らないのではないかと思います。価格競争をして値下げばかりしている時代は終わりです。なんとしてでもデフレを脱却しなくてはならないのです。

労務。大事過ぎて1回じゃ終わりませんでした。中小企業の社長からの反論は必至ですが僕は書きます。変わるべきは今だから。明日は社労士を変えてからのメリット、雇用調整助成金のあたりまで続編を書きます。


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