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シード期スタートアップの組織作りと、求められる人物像 #BR3W

BR3Wにお声がけ頂きまして行ってきました。エンジニアの組織つくりに関わるCTO/VPoE/EMが集まり、ディスカッションや情報交換がなされるという場でした。そんな中、シード期スタートアップの皆さんを中心にした卓でお話しをしてきました。

弊社でもシード期スタートアップの会社さんとはお取引がありますし、情報も集まっていますので色々とお話をさせて頂きました。今回は今時のスタートアップの組織作りについてお話をします。スタートアップ企業に居られる方のみならず、スタートアップ企業への挑戦を検討されている方にも参考になればと思います。

シード期スタートアップの人員の集め方

この会では8社程度の方とお話ししたのですが、今時の社員数10名以下の企業ではリファラル中心で進められているところが中心であり、媒体やエージェントを使っている企業さんはありませんでした。調達金額の限界を考えると採用コストにも限界があるため、必然的にリファラル中心になるようです。経路としては「前職の同僚」のようにスキルも人柄も明らかな人を優先している傾向が見られました。

シード期スタートアップで時折見られるのが、社長のプロダクトに対する熱い想いを見て感銘を受け、感化されて直接応募するというものです。スタートアップ企業、事業で時折あるアンチパターンですが、最初の方に直接応募を受けると「仲間ができる」という気持ちになったり、承認されたような気がして真っ当な選考フロー無しで内定を出してしまい、入社後のパフォーマンス不足で後悔するケースが時折見られます。

シード期スタートアップに求められる正社員の人物像

端的にはMVVに共感して貰え、自走できる人材です。指示待ちになったりするケースは厳しいです。自身で仕事を作り出したり、取っていったりしないと厳しいです。

一人目エンジニア

この段階でエージェントやスカウト媒体などにお金を使う余裕はあまりないため、人脈を優先的に使うことになります。

一人目エンジニアは社長の友人・知人・元同僚などの直接的に見知った間柄が望ましいです。せめて「友達の友達」のような人物面の確からしい人から始めるのが良い傾向にあります。この「友達(A)の友達(B)」がAとBの間柄が同僚なのか親友なのか、知人なのかによってまた確からしさが異なってくるので注意が必要です。どうしてもフルスタック気味に働かなければなりませんので、人物面の確からしさと技術面の確からしさの双方を見ていく必要があります。

悩ましい二人目エンジニア

シード期スタートアップの会社さんにあって、意外と悩まれるのが二人目エンジニアです。

MVV共感は必須

作業員が来られても困るというのがスタートアップです。ちょうどひさじゅさんが下記のような本を出されています。個人的には「最高のキャリア」だとは言い切れませんが、スタートアップや中小自社サービスでの振る舞いについては非常にまとまっており、読みやすいのでご一読をおすすめします。

どうしても組織が小さいうちは「ランニングコストや残業を考えると正社員が良いだろう」という安易な四則演算で意思決定をすることが多いです。ただしMVV共感や詳細設計まで落とさないと手が動かない人材を初期に入れるとすぐに後悔します。

作業員を入れるのであれば業務委託の方が増減しやすいので中長期的にお勧めです。最近の開発会社ではPjMも含めた開発労力を提供するスタートアップ伴走型もあることから、そちらと契約した方が良いかなと思います。

フィー交渉とSO

調達が十分ではない状態で「給与交渉をされると困る」という声は初期のスタートアップではよく耳にします。SO(ストックオプション)は数年前に比べて出す企業が多そうな感覚です。SOはEXITしないと何も起きないものですし、そもそもの配分が少ない企業もありますので注意が必要ですが、交渉材料の一つとして有用でしょう。

業務委託期間は積極的に設けたい

シード期スタートアップなどでは「正社員が入ってくる」というだけで浮き足立つ組織が多いです。また、自社がいつかそうなりたいというメガベンチャーや大企業などからの応募が来ると盲目的に内定を出しがちです。

冷静になるためにも、スキルマッチ、カルチャーマッチの観点から、副業やフリーランスなどでの業務委託契約をお勧めします。

初代CTO問題

一人目エンジニアに訴求する場合、真っ当なお金を出せないのでせめてタイトルをあげたいというお話があります。

一方で二人目以降のエンジニアでスキルが高く、人物面も素晴らしい人材が出てきたときに課題になるのが「一人目のエンジニアにCTOの称号を与えたけれどもどうしようか」というものがあります。ステイする場合と、違う役職に就ける場合、役職から降ろす場合があります。先のCTOが進んで降りるケースもありますが、一概にどれが良いかとは言えません。

後からの展開を想定すると、焦ってCTOに据えるよりは、しっかりとすり合わせた上で半年や1年の期間を置いてから就任して貰うのが良いと考えます。

組織課題の言語化

政府によるスタートアップ推奨の動きもあり、非常に多くのスタートアップが誕生しています。シード期スタートアップに限らず、組織課題にはフェーズごとにいくつかのパターンが存在しています。閉じられた組織で悩むのではなく、 #BR3W のようなところで先人に相談して見ても良いでしょう。私のnoteや書籍も参考になればと思います。

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