もう一度イヌを飼った先にあるもの
*これは7月28日にブログに投稿した記事のコピーです。
*後半は昨年のクリスマスにメルマガとして配信したものを編集しています。
4年近く経った今もTwitterの固定ツイートを変えていないので皆さんご存知かと思いますが、2018年の冬の初めに、わたしは愛犬を亡くしました。
(↑元になったデヴィット・コッペンさんご本人の2013年のInstagram☆)
犬を失った悲しみというのは、しばらく経っても日常生活のふとした瞬間に押し寄せます。
いつも一緒にいた犬が今そこにいない、自分の毎日見ているいつもの景色に、いつもいたはずの愛しい相棒が存在しない。悲しみというフィルタを通して見るいつもの風景はまるで白黒のよう、
この写真みたいに。
ペットロス対策で「新しいコを迎え入れる」というのがあります。わたし自身それが一番の対策だと思っていました。だからかなり早い段階で探し始めたわけですが、結局は、今いない何かの面影を追う作業になってしまい、つらい気持ち、悲しさが募るだけでした。
そんな中、この辺の犬好きな人は皆同じことを言うのです。
「大丈夫、次に飼うことになるイヌは、イヌの方からあなたを探してくれる。
だから絶対に慌ててはダメ」
こちらの人は犬の輪廻転生話が大好きで(犬の輪廻転生を題材にした映画もある)だから言ってるんだと当時は思っていました。イヌがあなたを探してくれるってなんだよ?どうやってよ?
だけどこれは真理で、イヌは私達を見事探してくれたのでした。
(その経緯は過去の記事へ 新しい日々のはじまり)
こうして私達はもう一度イヌを飼いました。
前述したペットロス対策の「新しいコを迎え入れる」これにもう一つの意味があることに気づいたのはイヌが来てしばらく経った頃です。それまでわたしはこの対策の意味するところは「気が紛れる」とか「(子犬は手がかかるので)忙殺される」だと思っていました。
新しいイヌが来ると、風化しかけていた亡くなった愛犬との思い出が急に色濃く蘇りはじめます。それまでは亡くなった愛犬を思い出すと胸の奥がザラザラする感じのあと、さみしさがどっと押し寄せる感じだったのですが、そんなザラザラを感じることが不思議となくなりました。ふとした瞬間に過る思い出はどれもこれも楽しくて、ちょっと笑ってしまうようなものばかり。更に亡くなった愛犬が子犬だった頃の、すっかり忘れていたことまでどんどん思い出すように。
自分の毎日見ているいつもの景色に、いつもいたはずの愛しい相棒が存在「する」かのような錯覚を覚えるのです。
イヌ児フィルター
これは明らかに我が家の新しいイヌである、イヌ児フィルター効果。画像補正アプリのsnowも驚きの補正効果です。新しいイヌと亡くなった愛犬が似てる似てないとかそういう問題ではなく、このフィルターは悲しい側の思い出をことごとく消し去り、キラキラした思い出ばっかりクッキリハッキリと見せるようになります。
新しいイヌが家に来るまでは正直、亡くなった愛犬のことはどんどん忘れるんだろうな…と思っていましたがまったく逆でした。思い出を受け入れて向き合って涙流すことなく楽しめるようになります。
新しいイヌの向こうにはいつも亡くなった愛犬の思い出がある。キラキラの。
そしてもちろん新しいイヌとの日々も現在進行系でキラキラしているのです。
これこそが「新しいコを迎える」ことの意味であり意義なんだ、とようやく理解して、へぇなるほどなぁなんて思いながら、亡くなった愛犬である通称老犬と毎日代々木公園で遊ぶのに使っていたボール棒で今も遊んでいるのです。
今、私達がこの言葉をかける側になりました。
「大丈夫、次に飼うことになるイヌは、イヌの方からあなたを探してくれる。
だから絶対に慌ててはダメ」
神様のもとに行ってしまった亡くなった愛犬を忘れられない人、新しいイヌを迎えることを恐れないでください。その新しいイヌは新しい日々と一緒に、あなたが忘れられない愛犬の忘れていた楽しい思い出をどんどん運んできてくれます。絶対。
そしてその新しいイヌはあなたが必死に探し回って見つける必要はなく、向こうが勝手にあなたを見つけてくれます。
だって渡さないといけないじゃないですか。亡くなった愛犬から託された大事な思い出を。
今日は亡くなった愛犬のお誕生日だった日、懐かしい写真がいっぱいサジェストされてくる日なんです。だからなんか犬ネタ書きたいなと思って。