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現代女性の生理回数は9倍! 健康課題と取り巻く環境【#女性のヘルスケア通信1】

こんにちは。FUJIYAMA BRIDGE LABの石岡です。
婦人科へのアクセシビリティ向上と女性の自己決定をサポートするサービスの開発を行っています。

今日から、生理や更年期、婦人科系疾患など、女性特有の健康課題についての学びを発信する「#女性のヘルスケア通信」を始めたいと思います。

仕事柄、女性の健康課題について日々学ぶことは欠かせません。
アウトプットする場があると学びにもより積極的になれるはず!ということで、完全に自分のためではありますが、これまでの学びを体系的にまとめていきたいと思います。

まずは女性の健康課題と社会環境について。

出典:厚生労働省「働く女性の心とからだの応援サイト」

上の図は、厚生労働省「働く女性の心とからだの応援サイト」のものをお借りしました。女性ホルモンの分泌量の変化に伴い、女性の一生では、体や心にこんなにたくさんの変化や症状が起こるのですね。

Femtech Community Japanさんが非常にわかりやすく整理してくださっているのですが、一生を通しての女性の症状や変化は、「ライフステージと関わるもの」「ライフステージ依存があまりないもの」の2種類に分けられます。

ライフステージと関わるものは

  • 初潮・月経

  • 不妊・妊娠

  • 授乳・産後ケア

  • 更年期

ライフステージ依存があまりないものは

  • 避妊

  • 女性特有疾患

  • 女性ヘルスケア全般

  • セクシャルウェルネス

を挙げています。
女性のヘルスケア業界にいると、女性の健康課題と彼女たちを取り巻く社会環境は、相関しあっていると感じます。

現代の女性は、初潮の早まり、妊娠機会の減少、平均寿命の延伸などから、戦後の女性と比べて生涯の月経回数が9倍になっているそうです。
そもそも月経での不調を感じる回数が多い中、社会進出が進んでいます。家事育児を担う時間は男性よりも多いというデータも出ています。

そのような負担の多い状況の中、自分なりの仕事の仕方が分かって来た頃に妊娠・出産をするかしないかの選択があり、キャリアの中断があるかもしれません。
産休・育休明けの復帰の不安と戦う人もいます。
更年期症状が出始めるころは、ちょうど管理職への登用が始まる頃と重なります。

ホルモン分泌量の変化と照らし合わせると、10代後半から20代半ばまでは女性ホルモンが出始めることでアンバランスになります。
その後20代半ばから40代半ばまでは、ホルモンのアップダウンで様々なトラブルが発生します。その後10年ほどは、女性ホルモンが揺らぎながら減少することでまたトラブル発生。50代半ばから30年ほどは、ひ尿系のトラブルや骨粗鬆症、認知症などの可能性があります。

現在は、生理、更年期について主に女性に話を聞いています。
風邪やインフルエンザと違い、生理や更年期の不調は病気ではないと考えている人が多いように思います。だからこそ、「我慢するべき」という意識が強いように感じます。
また、更年期は閉経前後の5年間の計10年を指します。そのため自分が今更年期に入っているのか不明確な人も多くいます。さらに更年期症状は、不定愁訴の種類が非常に多く、のぼせや不眠など、更年期に起因するものなのか、日々の疲れなどに起因するものなのかはっきりしないと感じている人が多い印象です。だからこそ、更年期症状を我慢で乗り切っている人が非常に多いと感じます。
生理や更年期の不調は、確かに病気ではないですが、不調は存在しています。
低用量ピルやホルモン補充療法などのホルモン剤は「ライフデザインドラック」と言われます。日々の生活設計をサポートする薬として選択肢に入れてみてもいいのではないかと感じます。

日々、女性と話をしていて思うのは、女性はそもそも体の機能として不調があるという「前提」を全然自覚していないということです。
ほんと、みんな頑張ってるよ。偉い偉い!って全女性に言いたいくらいです。

体と心の変化はホルモンのせいで、自分の管理不足や努力不足ではないことを知ってほしいと思います。

ただ、こういった仕組みを知っておけば、自分自身のその時の状態に合った対策を取ることができると思います。
今は大変だから医療に頼ろうかな、今は内側から健康になりたい気分だから食事に気をつけてみようかな。そんな感覚で選んでいければいいのかなと思っています。
その様々な選択肢を提示し、最適なものを選ぶお手伝いが、私が携わっている事業で叶えられたら幸いだと思っています。

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