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スナックを後にした私は、アパートに帰ると、3年ぶりに実家の母に電話をかけた。母と仲違いし…
眠れない夜に、ゆったんに創作のお題をおねだりしました。それで、いただいたのがこのお話のタ…
私に空いた底の無い穴で濡れた指が、乾きを取り戻す。そうして我にかえったところで、この穴…
ましゃこさんが、拙作『無言の湖』を朗読してくださいました!ありがとうございます😭❣️ ぜ…
快晴 閉め切ったカーテンを開けた。 鏡で目の周りの痣を見てにやけてしまう。 袋の中で少し…
ことが終わってシャワーを浴びる。粘着質なキス、ベタついた身体。あまりいい気分にはなれなか…
目の前がスローモーションになっても、あの音楽だけは頭の中でBPMを変えずに流れ続ける。 あなたは新しい歌。 あなたは新しい歌。 あなたは新しい歌。 冷気が頬を掠めて、もうすぐ心臓が止まるのを予感させるのに、頭の中の音楽は止まない。 扉の向こうにいるのでしょう? 刺された横っ腹から流れ出す血液が、凍った獣の肉塊を温めるように囲んでいく。 温度変化で粘ついた赤。 あなたが最期に私を見つめてくれるなら、私はこの血であなたの顔を汚したい。 扉が開くと
彼女の顔は、出会った時からずっとぼやけていた。僕の視力が悪いわけじゃない。彼女の顔は…
壁にかかる古い絵の中の林檎に縦の亀裂が入ると、それはゴツゴツした人差し指と中指でめき…
吸いかけの煙草が口元から落ちた。残り火が死んだセミの羽を燃やし、ミーンとひと鳴きさせ…
声色の変化と共に赤みを帯びた先端から白濁した体液が溢れ出す様を見て、触れていないのに…
男が規則的に落ちる血痕を追いかけると血を含みすぎたタンポンを片手にぶら下げる女がビル…
夏の眼球を舐めたくなって生唾を飲んだ。黒水晶のように煌めく瞳、白磁のような白目。そこ…
自分の名前を呼ばれた気がして顔を上げたのは、今夜知り合ったばかりの名前も知らない男にラブホで後ろから突き上げられている時だった。その名前も知らない男は、私が昂っているのだと勘違いして、うなじにベタついた唇を寄せながら甘だるい声をかけてきた。それが薄ら寒くて、名前も知らない男に対してどうでもいい、から、少しの嫌悪を抱くまでになった。 私の名前を呼んだのは間違いなくアイツだった。 〈記憶〉をスクロールして削除ボタンを押しても、ゴミ箱の隅にこびりついたものが、容赦なく