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AIは管理栄養士の仕事を変えるのか? 2

昨日記事をUPしたらば、
AIとか、食事診断アプリについて書かれた記事のレコメンドが
たっくさん紹介されていた。
すごい。。
書いてみるもんだ。

でもって、
もし、これを読んでる管理栄養士の方がいらっしゃったら、
誤解しないで欲しいことがあります。

私は、栄養指導という管理栄養士が専業としている業務を
否定したいわけではありません
専業であることの意味をしっかり認知してほしいし、
世の中がどう動いているのかを知ってほしいんです。

先生とか、ある程度のポジションにいる人は
あまり言わないことかもしれないけど、
一番最初にAIとの共同作業が始まるのは
管理栄養士の行う栄養指導と栄養管理業務
なんです。

だから、それを意識したうえで
今後の未来を考えていってほしい。
自分はどういう立ち位置で仕事を続けていくのか。
自分の未来予想図を、しっかり描いてほしいんです。

7、8年前にこの話をしたときには、
すごーく嫌な目でみられましたけどね。
特に、ベテラン管理栄養士の先生からは。。

でもさ。
そういう偉い先生は、たぶんAIから逃げ切れる年代だと思うよ。
否定してるだけでも大丈夫、生きていける。
(あー。私も逃げ切り世代なんです。ごめん。)


料理を画像解析するということ

さて、本題。
写真に撮っただけで料理の成分計算ができるのか?
という疑問を持つ人も多いかもしれません。
でもね。
これに関してはある程度できると、私は思っています。

その根拠は。。
実はかなーり昔になるのですが、
私、実験に参加したことがあるんです。

国民栄養調査の調査員をやっている人とか、
食事診断を日常業務にしてる人、
20名くらいに画像を見せて、
何がどれくらいの分量使われているのか、
食べた量はどれくらいだったのか、
調査票に書き出して成分計算する、
という実験でした。

10センチの方眼ますが付いているランチョンマットに、
食べる前と後の料理を並べて撮影。
5日分くらいだったかなぁ、
1日3食の栄養計算をしました。

その結果ですが、驚いたことに20名近くの管理栄養士は、
誤差10%以内で計算結果をだしました。

食事調査を日常業務として行っていれば、
画像見ただけで、わかるようになるんですねー。
自分でもびっくり。

だから、こういう栄養士を使って料理の成分値を想定すれば、
ある程度の正しさで成分データが作れるということです。
料理の画像解析、できそうでしょう?

「平均的な料理」についてどう考えるか

成分データを作れる栄養士がいても、
AIに「平均的な料理」を教えないと次のステップに進めない。

だけどこれは、考え方次第なのかなと思います。
たぶん、どういうポリシーでアプリを作っていくのか
ここが、重要なポイントになると思う。
ポリシーに従って決断できる人がいないと、
データが集積されるにつれてボロボロになっていく。
(この決定者は管理栄養士でなくてもいいと思うんですけどね)

えー。何が言いたいかというと。
例えば、肉じゃが。
有名だと思いますが、関東では豚肉、関西では牛肉を使います。
食べるシチュエーションによって、
肉が多いか、人参が多いか、玉ねぎが多いか、
その他、味付けや水分量、盛り付け量、まーったく違います。

でも、アプリに取り入れるには料理を平均化して、
平均的なデータで計算させなければいけないわけです。
ハンバーグ、かつ丼、カレー、みそ汁。。
すべての料理について、平均化する必要があります。
AIに教える場合は、
次々に読み取らせてパターンを覚えさせるって方法にすればいいから、
多少はラクかな。

こういうところに決定者の決断が必要になってくる。

だから、
開発にかかわっている管理栄養士に必要なことは、
違いを大きく捉えることではなく、
類似点をピックアップするにはどうしたらいいのか考えること。
そして、
ちょっとした違いだったら、大した問題じゃないと思えること。
だけど、
ちょっとした違いなのか、決定的違いなのかをみわけること。

もちろん、画像解析の難しさはこれだけじゃないんですが、
それはまた次回に。


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