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金沢まち歩きが楽しくなる「おもてなし」

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金沢まち歩きに関する「おもてなし」をまとめています。 少し変わった角度から、金沢について学んでみませんか。
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金沢まち歩きの「おもてなし」 -工芸編-

第一章: 金沢の工芸の歴史金沢の伝統工芸は、加賀藩の歴代藩主が文化政策に力を注いだことから始まります。加賀藩は、各地から優れた名工を招き、漆器や染色などの技術を金沢の地に根付かせました。この歴史的背景は、金沢の工芸が日本有数の高品質なものとなった理由の一つです。 第二章: 蒔絵の装飾が映える「金沢漆器」金沢漆器の技術は、加賀藩3代藩主前田利常が京都から名工・五十嵐道甫を招いたことから発展しました。漆器は茶道具を中心に、日常使いの食器や調度品まで幅広く制作されており、その美し

金沢まち歩きの「おもてなし」 - ミステリー編

はじめに金沢は、日本の歴史と文化が息づく美しい街です。風光明媚な景観、豪華な城郭、そして情緒あふれる庭園など、訪れる者を魅了してやみません。しかし、金沢の魅力はその表面的な美しさだけではなく、その背後に隠された数々の謎や伝説にあります。これらのミステリーを紐解くことで、金沢の本当の姿が見えてくるのです。 このエッセイでは、金沢まち歩きの「おもてなし」 - ミステリー編 - と題して、兼六園や金沢城にまつわる不思議な話や、隠された歴史を四章に分けてご紹介します。第一章では、兼

金沢まち歩きの「おもてなし」 -建築編-

金沢は、その歴史と文化が反映された多様な建築物が点在する町です。古き良き伝統と現代の斬新なデザインが共存する金沢の建築物は、訪れる人々に深い感動を与えます。今回は、金沢の代表的な建築物を巡る4章立てのエッセイで、その魅力を紹介します。 第1章: 歴史と文化が息づく建築物尾山神社 尾山神社は、加賀藩の祖、前田利家公とその正室お松の方を祀る神社です。二代藩主前田利長公が建立した卯辰八幡宮を起源とし、加賀藩主の主祭神として重要な役割を果たしてきました。神門は日本・中国・西洋

金沢まち歩きの「おもてなし」-浅野川界隈編-

第1章:浅野川界隈“男に見えて女に見えないもの” 浅野川界隈を歩くと、その穏やかな流れと共に、風情ある風景が広がります。このエリアの魅力の一つは卯辰山社です。深い緑に包まれたこの場所に一歩踏み入れると、鳥居が迎えてくれます。その奥に忽然と姿を現すのが、「卯辰天満宮」「豊国神社」「愛宕神社」の三つの神社、卯辰三神社です。これらは寄り添うように建てられており、訪れる人々を静かに迎え入れます。 慶応三年(1867年)、加賀藩最後の十四代藩主・前田慶寧は、この卯辰山の開拓に着手し

金沢まち歩きの「おもてなし」 - 芸術・文化編 -

第一章:金沢百万石まつり金沢の夏を彩る「金沢百万石まつり」は、昭和27年(1952年)から始まりました。この祭りは、毎年6月の第一週末に3日間開催され、金沢の街を華やかに彩ります。江戸時代、加賀藩は一揆を防ぐために城下で大勢の人が集まることを禁止していました。そのため、金沢には伝統的な祭りが少なかったのです。この背景から誕生したのが「金沢百万石まつり」です。 祭りのメインイベントは、前田利家入城行列であり、太鼓の響きが出発の合図となります。先頭の先導隊に続き、音楽パレード、

金沢まち歩きの「おもてなし」 -兼六園・金沢城公園編-

第1章:兼六園の四季折々の美日本三大名園の一つ 兼六園は、日本三大名園の一つに数えられる回遊式大名庭園です。池を中心に曲水が巡り、築山や多彩な樹木で覆われたこの庭園は、訪れる人々に四季折々の美しさを提供します。その広大な敷地は約3万4600坪におよび、8200本の樹木が四季に応じて異なる表情を見せます。 昭和60年(1985)には、「名勝」の中でも特に重要な「国指定特別名勝」に指定されました。その歴史は延宝4年(1676)、加賀藩前田家の5代藩主綱紀が現在の瓢池周辺を金沢