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風的優等生

小さい頃から劣等性扱いされやすい息子、私には至極自然な存在に視えています。
たぶん観測する人が、カタチ在るものと目に視えないもの、どちら側の人なのかによる違いなのでしょうか。
物質的豊かさ重視の土の時代から、精神世界を主としていく風の時代へと変化したと聞きました。
なるほどです、これまでの嚙み合わない感はその違いからかも知れません。

これからも同じような悩みは尽きないのでしょうが、こちらも少しは成長したようで対応策をいくつか持てるようになりました。
何より風的優等生な息子の、さらりとかわす術がアッパレ、主張し過ぎず爽やかに意思を貫く様子は見習いたいです。
土的学校生活で、現実的に歩み寄ろうと幾度となく挑戦し玉砕し続けた先の術です。学校もイジメっ子も環境は変わりないままで、自分自身の策を向上させてきた効果と、本質的な個性に自信持ち始めた吹っ切れた感もあります。
ちょっと長くなりますが、春ごろに起きたことを書きます。



修学旅行の出欠確認プリントで、行かない選択肢もあるんやと知りました。
じゃぁ欠席、と即決した息子。親としては、行く行かないどちらも メリット⇄デメリット 有、自分で選択し決断する良い機会と思いました。
キャンセル料もったいないので早めに学校側へ申請して確認もしてね、と父子に伝え、私のしごとは終了。
それから… 期限ギリギリまで、学校側からの猛引き留めが始まりました。

息子には毎日担任教諭からの説得meeting、挙句の果てに強制して連絡帳に「出席に傾いた…」一筆書かせられ。
主人にも生徒指導先生から何度か電話、本人希望に沿いますと伝えても私の方にも電話アリ。
出欠確認プリントも2度目の提出をすると、再度出向いて放課後父子面談することに…
イジメからかいが原因ならば生徒指導先生つきっきりに、という案まで出て。
こうまで熱心だと却って怖くて余計行きたくないキモチ固まるんじゃないかなぁ、少々迷ってたとしても反発心出るし、今まで再三相談してた時に少しでも理解してくれていたら…とも思ったりしました。

ここまでの状況、今後に支障あったら心配で出席するのも良いかもよと、息子にキモチ再確認すると拍子抜けするほどあっけらかんとしています。
学校で毎日の説得に困惑しつつもその猛攻撃をサラッと流している様子。
そして欠席の決断も重苦しい苦悩からの…、じゃなくて爽やかに当然即決やろ~という軽さ。
旅行準備授業には参加せよだの、欠席理由をクラスメイトに自ら伝えろだの、旅行中は学校に来るなだの、罰のような言い草で高圧的にされても全く意に介せず、行かずに済むならお安い御用~な感じです。
先生がつきっきりで…も、よそのオッサンと旅なら修学旅行と違うやん、だったらウチのオッサン(父親)と行くわ、と。…ごもっとも。
緊急面談の様子も、担任教諭が同じこと4周話してて長くなったわ、学校熱意スゴイでママも洗脳されそうなったもんね、だって。
…洗脳じゃなくて後のこと考えてって言おうと思ったけど、まぁそれも洗脳に含まれるかもね…



旅行期間は欠席扱いで自宅満喫。
でも日に何度も旅の進捗連絡メールが来るし、息子も「今頃〇〇やね」とか言うのでやっぱり気になるのかなぁと思いきや、「皆たのしんでると良いね~来週話きかせてもらお♬」
自分で考えて決めた後は、どんなに揺さぶりかけられても全くブレないそう。旅の土産話を聞いても変わらず自分の決断に満足している様子でした。

学校からの電話で「成功体験をさせてあげたいから」と出席を強く勧めるよう言われたのが、先生の思惑とは違うかも知れないけど "成功体験" と言う意味ではしっかり叶ったようです。
自分のキモチを一番大切にする・決断を貫く、という "成功体験"。
これまで、長い物には巻かれよにチャレンジし上手くいかずに今があるから、今回新たな試みで成功したと言えます。


この件で改めて確信できたこと、私自身を顧みる学びがまた多くありました。
一旦方向決めても、クヨクヨ迷ったり。そういうのって過去をほじくり返してる一人遊びなだけなんだと改めて悟りました。
周囲の意見に揺れるのも、他人からのOK待ち根性が沁みついてる観念なんだと痛感。
息子を “育てる” なんて私にはおこがましくて、ただ成長を阻害しないようにだけ気を付けてきたおかげで思いがけず 風的優等生に。こんな身近に師が存在した!と驚きました。
自分第一に一番心地良い行いを選択する、を学校生活で初めて試してみた息子、あれからしばらく経ってもその選択に関する軋轢なく、それどころか他方面にも良い効果が現れ始めています。
驚くことに、小学校いや保育園から続いている執拗な嫌がらせ揶揄いがペースダウンしてきたそうです。反対に、気の合う友達が数人現れ出しました。
少し勇気が要りそうな決断で思い切ってバンジージャンプすると、心配不安は杞憂に終わり予想外の方面にも好効果が広がることを、風的優等生のおかげで再確認できました。

修学旅行欠席は1人だけ。出来事は一つでも学校側のポイントと、私が勇気と思うポイント、そして息子の挑戦ポイントはそれぞれ違う、そこもまた観念概念のそれぞれなところで面白いなぁと思いました。
本人的には意思表明できた事で堂々とした雰囲気がついてきたのかも知れません。主要イジメっ子と同じクラス、同じ班になっても気にせずいられるようです。
この、同じクラス班になるところがまた人生ゲームの課題が分かり易くて、唸ります。
そしてそれを自分なりにひょいッと飛び越える場面を身近でみられることがお母さん業の醍醐味だなぁと感謝しています。


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