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「ソイヤ」の語源も色々ありそう・・・

前回「わっしょい!」の語源についてちょっと書いてみましたが、現在の東京での神輿では、圧倒的に「ソイヤ!」の掛け声が多いですね。掛け声を掛けているうちに「セイヤ!」とか「そーりゃー!」とかに派生していることはありますけど、その元は「ソイヤ!」でしょう。

ではでは、この「ソイヤ!」って掛け声の語源っていうのは、一体なんでしょうかね?これも調べたら幾つかあるようです。

一つは古くから行われている、ある東北地方の祭りで、いわゆる喧嘩祭りで神輿と神輿をぶつけ合う祭りがあり、その時に「それ行け!やっちまえ!」っていう掛け声(って言うか怒鳴り声?)が段々と「ソイヤ!」になったって言う説。これ私も聞いたことあるヤツです。

もうひとつは、アイヌの言葉で「揺する」に当たる言葉が「ソイヤ」だというもの。アイヌの儀式でフクロウを生贄にする儀式があったそうで、木に括り付けたフクロウを羽ばたかせながら担ぐという行為の際に「ソイヤ」という掛け声を掛けていたことから、北海道での祭りでは「ソイヤ!」という掛け声が使われている地域があり、それが広まったという説。(ちなみに生贄って聞くと、諏訪大社の御柱祭を想い起こすのですが、それはまた別のお話で・・・)

なんだか、北の方からの影響が強いんですかね。

もう一つ、ちょっと強引かと思わる説も。これは、段々と早いリズムで「わっしょい、わっしょい、わっしょい、わっしょい、・・・」って言い続けていると「ショイワショイワショイワショイワ・・・・」っていう言い方が縮まって「ソイヤ!ソイヤ!」って成って行ったていうお話。意外と無くはないと思うけど、って感じですね(笑)

そしてもう一つ。「ソイヤ」とは漢字で「素意成」と書き、「素直な心をもって成りとする」という意味があるのだという説など。これは深い意味を込めていそうですよね。

こうなると段々と民俗学の世界になってきそうですが(笑)、本来の東京、と言うか江戸での掛け声は「わっしょい!」なのは、どうやら明白なようです。

私も初めて神田で担がせて頂いた際に、とある老舗の女将が大声で「江戸の神輿の掛け声は『わっしょい!』でしょ!昔っから、そう決まってんでしょっ!!」って怒鳴られた記憶があります^^;

ところが、昭和40〜50年代あたりから「わっしょい!」の本場、東京(神田や深川)でもその掛け声は段々と無くなりつつあったようです。深川では昔ながらの「わっしょい!」の掛け声で各町会とも統一しようという働きかけまであったようです。そういった動きがあったことで、現在の深川では掛け声は「わっしょい!」がしっかりと復活したのだとか。(ごく一部は違う掛け声もあるようです)

まだまだ、地域の御祭によって様々な掛け声があるはずですが、きっとそれぞれに色んな謂れがや言い伝えなんかがあるんでしょうね。日本中、訪ね歩いてみたいもんですね。

それにしても、こういうこと考えながら神輿担いでるヤツは、あんまりいないだろうなー(笑)