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家探しにおける要注意トラップ ー沖縄の「へそ」うるま市石川のローカル生活(2)

転勤の内示が出てから、まずやらなければならないのが家探しです。インターネットで物件をいくつか見てみるものの、沖縄に住んだことがないので家賃相場や立地など全くピンときません。 

おまけに僕は当時ペーパードライバー。沖縄での快適な生活に車は必要不可欠のため、運転自体は覚悟していましたが「できれば職場まで通勤時間が短く交通量が少なく、運転しやすいエリアに住みたい……」と思っていました。

そこで「もう現地で決めるしかない!」と、新しい職場への挨拶や家探しを兼ねた沖縄出張を組むことに。レンタカーをおっかなびっくり運転して訪問した新しい職場では、前任者(僕と入れ違いで異動する先輩)にあいさつすることができました。その前任者から気になる一言が。

「いいか?  住む家を探すときはネットだけで決めず、必ず現地を見て、窓を開けて風通しを確認するんだ。この辺りでは最も大事なことだ。行ったら分かる」

はて。風通し?  まあ沖縄暑いもんね、というくらいの感覚でその後、アポをとっていた不動産屋に移動します。良さげな間取りの物件をいくつか見て、内見に赴くことに。

一件目は石川の新興開発エリア(マックスバリュやマクドナルド、しまむらなどが並んでいて便利)に程近いアパートで、周囲に高い建物も少ないので日当たりも良く、早速「ここでいいかな」と思っていた矢先、先輩の話を思い出します。

風通しも何も、開けたら風が吹き抜ける部屋の作りですが、一応開けてみたところ

「くっ(絶句)……くさい!!」

夕方の日差しを浴びた生暖かい風に乗って、想像を絶する家畜の臭いが漂ってきたのです。

後で知ったのですが、昔から、うるま市石川周辺には養豚場が多く、家畜の臭いは有名でした。沖縄県人でも那覇市や沖縄市の人には「石川に住んでるの? あー、高速道路であの辺走ってるときに窓開けると豚臭いよね」と言われる始末。

こんな声が市役所にも寄せられていたのですね(今知った)。風向きによって全く臭わないときもあり、もちろん人によって慣れる慣れないもあると思いますが、僕は耐えかねて、助言をくれた先輩に感謝しつつ、その物件を断念したのでした。

なお、僕が暮らしている数年の間にも悪臭問題はずいぶん緩和・改善された印象です。地元の人に聞いてみたところ「養豚場がどんどん少なくなっているんじゃないか」と言っていました。今は石川でも気にしなくてよくなっているのかもしれませんね。

さて僕の家探しはその後も窓を開けながら続き、最終的に石川エリアの中でも比較的高台で臭いがせず、大○建託や○建コーポレーションのメゾネットやアパートが立ち並ぶ住宅街の中に良さげな物件を見つけ、賃貸契約を交わしました。沖縄生活の準備完了です。

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