見出し画像

マジバイさんに医療チームからお伝えしたいこと

病状、治療方針とあわせて、医療チームからお伝えしたいこと

これからあなたが病気と向き合っていかれるために、私たち医療チームは、あなたとご家族の力になりたいと考えています。

あなたが診断をされた時から、あなたを全力で支える仕組みがこの病院にはあります。これは当院の医療スタッフの多くが、私生活を犠牲にして支えている仕組みであることを忘れないでください。

医療スタッフも人間ですから、患者さん同様に体調が優れない時、気分が晴れない時があります。

担当医・看護師・薬剤師など医療スタッフが疲れや倦怠感等にしっかりと対応し、自分の生活のペースを守ることは、患者さんの治療を円滑に進める上で非常に重要なこととなります。

医療スタッフが仕事や私生活で困っていること、気になることを、遠慮なく相談することができ、改善へとつなげることのできる環境、仕組みが求められています。

あなたの治療は時間をかけて行うことになります。
これは病院の人員が逼迫しているからです。
安い給料のうえ、ろくに休みも取れないような労働環境では、なかなか人が集まらないのが現実なのです。
限られた人員が、時には法定労働時間を超えて働くことでなんとか病院が回っているのです。

あなたの治療を続ける上で、あなた、そしてそのご家族は医療スタッフの体調のみならず、仕事や家庭、普段の生活にも心を配っていただくようお願いします。

過酷な労働環境において鬱になる医療スタッフが急増しています。
医療スタッフが置かれ.ている現状の労働環境で、患者さんから見て心配なこと、懸念されることがあれば、何でも医療スタッフに伝えてください。

医療スタッフの労働環境改善に向けて提案をする場を設けることもできます。
各病院の労働組合相談窓口、診療連携拠点病院などに設置される労働相談支援センターで、職場の改善、労働環境の改善等ついてご提案をいただくことが可能です。

医療スタッフには 仕事と家庭生活を両立するためのさまざまな支援制度が用意されていると経営側は主張しています。しかし、実際にはあまり機能していません。
労働環境改善、そして仕事と家庭生活の両立について経験を持つ患者さん、ご家族から話を聞くことができれば、我々医療スタッフは大いに助かります。仕事や生活の負担を減らす工夫を知ることもできます。 

我々医療スタッフは、病院の経営方針に疑念や不満・不安があったとしても、医療のようなセカンドオピニオンを利用することができません。
しかし、病院経営の利益の源泉であり重要なステークホルダーである患者さんそしてそのご家族から労働環境改善に向けたご意見、ご提案、ご指摘があれば、それはセカンドオピニオンの位置づけとなります。経営陣も無視はできないと考えています。

何卒ご理解とご協力をお願いいたします。

上記内容を患者さん・ご家族に説明しました。

2023年10  月28  日
医師  佐々木 進次郎
看護師 緑川 由紀恵

よろしければサポートよろしくお願いいたします。