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中国古美術オークションの世界

今週は中国の古美術オークションのお手伝いをしています。
(開催地は日本です)
私自身もひょんなことから関わり始めたのですが、なかなか周りでは関わっている方も少ない業界だと思うのでご紹介。

私が携わっているオークションはそんなに大きなものではないのですが、それでも書画と道具で400点強が出品されています。

日程はまず下見日(商品を品定めに来る日)があって、その後オークションの日(皆で競り合う日)となります。
下見日は誰でも参加できますし、見に来られますが、オークションに参加するには委託金(買う能力がありますよ、と証明するためのお金。結果買わなかった場合は返却されます)が必要です。

写真は下見日の前日の準備日の様子。
商品を並べ始めたところ。

日本人にオークションというと、サザビーズかヤフオクとかメルカリぐらいのイメージなので、その世界に最初はびっくりしました。

私の関わっているオークションでは、スタッフは一応みんな商品をお客様にお出しする際は白手袋をしています。
しかしお客様はみんなびっくりするぐらい素手で商品を触るし、匂いもかぐし、写真も撮りまくる。
なんだったら自分のおでこや顎にこすりつけるオジサマも(笑)
(ちなみにその理由としては、油がワックス代わりになって、商品の細かなゴミ?を取り除き、より商品の細かいところが見えるようになるとか…ほんとかな)
色々な意味で白手袋は手放せない…と思いました…(^ ^;)

このイベントを通じて色々と学ぶことも多いのですが、何より自分の眼や価値観が全ての世界なんだと感じます。
値段なんてあってなきが如し。
鑑定士に鑑定してもらった鑑定書などがついていても、あくまでそれはその鑑定士の意見、全く意味はないそうです。
これには正直、とても刺激をもらいました。

オークション業界に限らず、今の時代、自分で価値を決める、ホンモノを見抜く目を養う、というのはとても大事です。
時代の変化とともに周りの価値観もどんどん変わるし、ネットには真偽のほどが不確かな情報が溢れかえっています。
自分をしっかり持って、自分にとって価値のあるものはなにか、どれなのか、を決める力がないと、自分の幸せが何かも見失ってしまいそうです。

ちなみに以下の写真の仏像はショーケースの中に展示されていた商品で「それ見せて」と言われた人気トップ3に入る方です。

そしてこれをお見せするのにショーケースから出す際に、参考資料も一緒に出品されているので一緒にお渡しします。

しかし、この参考図録にのっている仏像が、本当にこの目の前にある仏像かどうかは正直なところ謎なのです。
皆さん、真剣にひっくり返したり、拡大写真を撮ったり…入念な下見を繰り返します。

この仏像の価値は人それぞれ。興味のない人にはゼロでしょう。
ただ想定価格は300万円~だそうです。

さていくらで落札されるかな…??

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