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歌詞

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音を付けてくれる方、あわよくば僕と二人三脚でやっていける相方さんが欲しいという下心です。
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君を殺す歌がうたいたい

言葉を育てる 君だけを傷付ける葉を その腐った傷口に一つ 僕の呪いを寄生させて 瘡蓋なんて付けさせるかよ 死ぬまで抱えていればいい いつか育った呪いが 全てを蝕むその日まで 君に穴を開けたい 直径十五センチの左穴 多分永遠に埋められないだろう 歪な代用品を探す この痛みが分かってたまるか この痛みは僕だけのものだ 吐き出した言の葉は この日を思い出させるから 君に一つでいい 傷を付けたかった ふと触れたとき疼いてしまうような そんな優しい傷を 僕にはあるんだ 君に殺された

君の瘡蓋でいさせてください

いつだって君が選ぶのは まるで違う方法だった 遠回りの末に薄膜を貼る 白い包帯を剥がしていく 泣き止む頃には忘れるけど 雨が降ればふと思い出す 無邪気な顔で君は殺す 笑ってごまかすのだろう 言葉なんかで救われてたまるか 痛々しく傷を残したい 君の痣にすらなれない 守っていた証明もいらない どちらも忘れられない君は きっと優しい人だから 君にすら覚えられない僕でいい そっと赤を閉じ込める 気付かないでいいよ 傷かない君でいいんだ 邪魔になったなら いつか剥がしていいからさ

指標が朽ちる音を聞きたくない

僕のせいにして欲しい 綺麗な言葉なんて要らなかった 空の音が聞こえた気がした 君にふ塞がれて聞こえなかった音だった 僕にとっては救いだった ただの我儘だけど 左隣がやけに涼しくなった 窓を閉めるのはいつも君で 悲しみも 頁をめくる手付きも 言葉も イヤホンの色も 笑える理由も 全部は君の真似事だったんだよ 君を殺したのが僕だったらいいのになんて 僕はまた君の笑顔を作りたくなる 涙の流れる速さで また歌が歌いたい ピアノの音のような君にしか歌えない歌 真似事の歩き方で進んだ