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バンクシー展、感想(レビューは書けない)

バンクシー展に行ってきた。
天才か反逆者か、投票。みたいなイベントもあり、なかなか盛況。
コロナ禍とは?と言った感じ。それでも換気はしてあるのだろうからあまり神経質にならずに見て回れた。
写真はOKです。最近増えてますね。

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バンクシーは文脈ごと観るグラフィック。
好きなのは有名な美術館に無許可で展示して名を上げたこと。有名無名関係ない、と証明した。
噂になり始めた2000年代初頭この1点だけでバンクシーが気に入った。
この出オチだけでイける。
ブランディング上手いじゃないですか。
正体不明なのもいい!(まァバレてるみたいだけど)壁に描くのは犯罪だからね。
壁に描いて早くばっくれるためにステンシルにしたそうな。
描き逃げだ。
ちょこちょことチェックはしていたけれどここまでたくさんの作品を観たのははじめてで初期から順を追って鑑賞することでうっすらと感じたバンクシー像を需要はないけど書いておく。
古来絵画美術とは宗教を伝えるメディアの役割だったしアカデミーだか文壇があって聖書のワンシーンを描くことや肖像画を求められる。絵の具の進化によって(持ち出せる、長持ちする)バルビゾン派みたいな景色を描く人が出てきて更に印象派が生まれた、当たりまでは理解した。
外に出ることがカウンターだった。
それから100年近く。
ストリートにこだわるバンクシー。あくまで鑑賞対象じゃないよ、ということらしい。外の風景を枠に入れ更に屋内に展示するようになってまた外に指向する時代になったのかな。
技術の進歩によりアートは発展して時代の空気を先取りし新しいものが生まれる、らしい。
アンディ・ウォーホルの頃はマスの時代。
「1960年代って、ちょうど大量消費時代へ向かっていく頃なんだよね。ウォーホルのアートは ─結果的にかもしれないけど─美意識のレベルで肯定するものだったと思うんだよ」
(猪子寿之×宇野常寛 人類を前に進めたい、より)
大量生産はカッコイイこと。美しいこと。
とされた時代のアーティスト。
そして今回、これが気に入った。

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いろいろ言うことはあるだろうけどウォルマートのスープ缶をアンディ・ウォーホルのキャンベルスープ缶と並べて見たかっただけ、のような気もする。
並べることに意義がある!
アンディ・ウォーホルを持ってくるのが憎いね。
大量生産美のポップアートからコンテクストのグラフィック。
きちんと時代の併走者としての役割を果たしてるのでは?2人とも後世に残るだろうし、上手すぎるでしょ笑。名は残ると言えどバンクシーに至っては作品は残ってるかどうか不明だ。
基本落書きだから。
持ち主の意向次第だから。
その不安定さも含めてバンクシー。
この展覧会、ご本人はノータッチということらしい。(建前なのかな?)
ご本人が采配した場合こんな感じになるのかな。

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ディズマランド。

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かなり不気味。
○○○○○○○○のパロディ。伏せ字が弱気(笑)
ちょっと不気味過ぎて半分引いた。
それでも本家に対する皮肉には理解を寄せたいけれども。
みるものに何かしらの心の動きや衝撃を与えるのがアートなら不気味さですらそれにあたる。
美とは己の心の中。不気味な展示物で強烈な皮肉を表現する、そこに美を見るとするなら何かしら心が動いた。そこに触れたら役割を果たしているんだろう。アートとして。
グラフィックというスタンスにこだわり、ストリートに心をよせ商業主義に反するバンクシーは王道より外れた所を走りたい人。
美術館に陳列された絵画をバンクシーは否定してる訳ではなく分かりもせずありがたがることがアホくさいと思っているだけ、だと思いたい。
なくなってから作品が高騰する露骨な世界で見事に作品の価値を上げ続けるブランディング。その露骨ささえ俎上に載せる。
王道の美術史の真ん中ではないけれど、というその立ち位置に価値がある。それがまたバンクシーを権威にしてしまう運動の一部になってしまうことも含めて注目するグラフィックプレイヤーであります、はい。
価値が転倒してるといえば、

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平和のアイコン、スマイルが不気味な象徴として、引用されているのもあざといけどいいな、と気に入った作品群です。
天才か反逆者か、という問い自体がイマイチだけど天才なのは自明なので反逆者、そういう気持ちで投票しました。
才を認めてない訳でも逆張りで投票した訳でもありませんよ。
誰に向かって言っているのか分かりませんが。
そんなことを考えました。
バンクシーと一緒で「現代アート?は、何それ」とか「鑑賞してる私」が好きな人達が何だかなーと思う次第であります。
美術ファンとして。
楽しめましたよ。誰に利が行っているのか不問にして。


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ちょっと寂しいみんなに😢