デザイナーでもクリエイターでもない私が「デザインフェスタ」に初出展した話(その1.商品どうするよ編)
今週末がデザインフェスタらしいので、「デザイナーじゃない!」「高いスキルも持ってない!」「でも1回ぐらいは出てみたい!」という絵に描いたような甘いシロートだった私が、1ヶ月でイチから商品を作って実際にデザフェスに出展した話でも書いてみます。
そもそもデザフェスとは、春と秋の2回に東京ビッグサイトで開催されているアートイベントです。
クリエイターを中心に、あらゆる個人・団体が、販売や展示を行っています。
私の場合は、一度もデザインフェスタに行ったことがないまま出展者側として初参加するという大暴挙だったのですが、出たいと思っている方は一度行くことを強くオススメします!
なぜならば「本当に自分が出て大丈夫か?」という不安が少しはやわらぐから!不安がなくなれば制作に専念できますからね!前日に「ああ、もうだめだ」と言いながら布団の中でじたばたしなくてもすみます!!
ちなみに私がデザフェスに出展したきっかけは「1回フリマとか出てみたいな~」と言っていたら「デザフェス出してみたら?」と言われ、「あ、そんなのあるのか」と思って気軽に応募したら想像以上のガチイベントで焦って死にそうになったというものです。ぜひ計画性をもって動きましょう。正直デザフェスでの最大の学びです。
そういうわけで、私が初めて出展したのは2016年秋でした。以来、懲りずに1年に1回ぐらい出展させていただいています。(デザフェスは抽選だから次も出れるかはわからないけどね)
その道で食っているプロの方や、お店を持っている方も参加している大きなイベントですが、私みたいなゆるーい個人もけっこう参加しているし、
お客さんも「プロのものが欲しい!」というよりは「面白いものが見たい!」という優しい方が多いので、「何が作れるわけでもないけど出てみたい」と思っている方に向けて少しでも参考になれば嬉しいです。
※ちなみに「既にクリエイターとして高いスキルを持っている」「売れることより多くの人に作品を見て欲しい」という人はこの記事に合わないかも...
私は「スキルは高くない」「でもせっかく出るなら買ってもらえるモノを作りたい」というタイプだったので、「スキルはないけどデザフェスで売ってみたい」という人がどう工夫すればいいかという話になっています。
それでは本題に入りましょう、名付けて『貧弱クリエイターがデザフェスで失敗しないコツ3選』です。
その壱. とにかくブルーオーシャン戦略でいけ
マーケティングか経営に関わっていない限り、あまり聞きなれない単語かもしれませんが、私はデザフェスに出る際、ひたすら「私はブルーオーシャン戦略で行く」と唱え続けていました。
制作していて心が折れそうになったときも「でもブルーオーシャン戦略だから...」と呪文のように唱えて自分を保っていました。それくらい大事です、ブルーオーシャン戦略。
じゃあそのブルーオーシャン戦略とは何か?というと、Wikipediaいわくこんな感じ。
競争の激しい既存市場を「レッド・オーシャン(赤い海、血で血を洗う競争の激しい領域)」とし、競争のない未開拓市場である「ブルー・オーシャン(青い海、競合相手のいない領域)」を切り開くべきだと説く。
わかりやすく図にすると、こうです。
これ、マーケティングや経営ではよくある話ですが、デザフェスに当てはめるとこういう感じになります。
つまり、
・高いスキルを持っていない貧弱クリエイターは、ポストカードやステッカーのようなレッドオーシャン商品を「絶対に」作ってはならない
・なぜならば、デザインや画力でハイクオリティなプロのクリエイターさん達にかなうわけがないから
・プロのクリエイターさんがデザフェスに出していないジャンルの商品を探し出して、それを作る
ということです。
わかりやすい例でいうと、少し前までのマスキングテープとかそうだと思います。
今だとけっこうお店で売っているところも多いけど、2-3年前までは今ほど流行していなかったから、出しているだけで興味を持ってくれるお客さんはいたのではないかな..?と。
で、このブルーオーシャン戦略ですが、それまで一度もデザフェスに行ったことがなく、何の商品が多いかどころかイベントの雰囲気すらもわからない状態だった私は、友人らに聞いたりネットで検索したりして
・アクセサリーなどの女性向け商品が多く、男性向け商品はあまりない。しかし、来場者には男性もちょくちょくいる
・「普段買えないものを買いたい」と思って来ている人が多い
・クリエイターさんはたぶん男女比半々ぐらいじゃね?
というめっちゃあらい情報を手に入れました。
そして、ここから私が立てた仮説は
1.女性に絞った商品ではなく、男性でも興味を持ってくれるジャンルの商品はブルーオーシャンの可能性が高い
2.「普段デザインのためにお金をかけていないモノ」の方がデザフェスに向いているのでは?
というものでした。
そして、仮説が決まったならそこからはひたすらアイデア出し!!
「男女問わず買うモノ」で「普段デザインとか考えずに買っているモノ」ということで
・ティッシュ
・マスク
・歯ブラシ
とか、いろいろとにかく書きだしました。
特に、家電量販店とかドラッグストアなどの「普段かわいいものがあると期待して買い物をしたことがない場所」に行って
「これは作れる...!」
「これはどう頑張ってもかわいくできない...!」
とか永遠にブツブツ言いながら店内をうろつきまわるという奇行におよんだりしていました。(でもそれが一番参考になった)
そして、最終的に出た結論が
デジタルガジェット系は男女問わずに買うけど、だいたいデザインがかわいくない最高のブルーオーシャン
というもの。
「延長コードとか、電池とか、デジタルガジェットにまつわるものって男女問わずにけっこう買うけど、皆デザインのことは諦めてるよね?たまたま行ったデザフェスでかわいいものがあったら私なら欲しい!!!」
というIT業界出身の自分の中での高まりもあり、初出展では「デジタルガジェット関連」に絞って商品を作ることにしました。
ちなみに私は「デザイナーではない」と言いつつ、大学時代の遺産でAdobeイラストレーターというお絵かきソフトが使えるため、「イラレで出来るものを作る」という基準も自分の中にはありました。
「イラレとか無理だよ!何も使えないよ!」って人でも、「書く」とか「縫う」とか「切る」とか、何かしら人並みにできるスキルはあるはずなので、この「ブルーオーシャンを見極めてから、自分の力で作れるものを作る」というのは結構大事な気がします。
ブルーオーシャン商品ならプロほどじゃない「人並みのスキル」でもお客さんに喜んでもらえるモノが作れるはず!だからまずはとにかくブルーオーシャン戦略を練ろう!!!
そういうわけで、そこからひたすら制作に入り、いろんな試行錯誤を繰り返して、最終的に作った商品がこれでした。
↓
なんと呼べばいいのかわからないので自分では「キーボードステッカー」と呼んでいるんですが、名前の通り、作ったものはパソコンのキーボードに貼るためのステッカーでした。
ちなみに、初出展のときは、キーボードのサイズをすべてMac Book Airの13インチに合わせて制作していました。
これは別に私がマックユーザーだからとかではなく(むしろWindowsしか持ってなくて写真のものは友達の借りて撮影した)、
Amazonのキーボードカバーランキングの1位が13インチMac Book Air向けのカバーだったからです。
スマホケースとかもそうですが、デジタルガジェット関連の商品は日々更新されてくので「どのモデルに合わせるか」が結構大事、というのを個人的に思っていたのですが、
「でも全モデル分は作れない!」「じゃあどれを作る?!」って考えたときに一番参考になるのは「類似商品のランキング」だろうということで、Amazonランキングを漁った結果がこれでした。Amazonまじ有能!
まあデジタルガジェット系商品を作りたい人にしか参考にならない知識ですが、説明すると「なるほど!」って言ってもらえることが多いので一応ご参考までに!
それから、なんだか告知っぽくなって申し訳ないんですが、もう一つ評判が良かった商品がコレ。
↓
写真は試作品なんですが、Mac充電器用の吹き出しシールです。
ぬぐいきれないビレバン感がある商品なんですが、こちらはデザインに女性っぽい甘さがなかったためか、当初の企画通り、男性の方にも結構興味を持って買っていただけたので良かったです。
それから、こいつは実際の売れ行きに加えて「ディスプレイ」としてもかなり活躍してくれたので、ありがたい存在でした。吹き出しは目立つ。
めちゃくちゃ長くなりましたが、残りは
の2本でお届けいたします。(全然1本でおさまらなかったー!)
ちなみに、今週のデザフェスには出てないけど、5月26日(土)のヨコハマハンドメイドマルシェでG-58で出展してるので良ければ来てね!!!(突然の告知)
ここで告知してた商品+他のものも慎ましく出品しています~
最後までお付き合いいただきありがとうございました~。
読んでいただき、ありがとうございます!