見出し画像

「第2の患者」であるご家族にも緩和ケアは必要です #6

こんにちは、緩和ケア医のDr. Toshです。緩和ケアの本流へようこそ。

今日のテーマは「家族にとっての緩和ケアとは」です。

私に40代の女性からのご相談が来ました。

先日母ががんと診断されました。主治医から緩和ケアを受けるように言われました。がんと言われてから、特に母には変わったところは見られません。母のがんはそんなに悪いのでしょうか? 緩和ケアは治らないがんの人対象ですよね? 私の周りにはがんの人がいなくて、相談できる人もいません。母は大丈夫なのでしょうか。最近色々考えて、眠れない日が多くなりました。私はどうすればよいでしょうか。

まず、安心して欲しいことは、緩和ケアは、終末期のがん患者さんだけのものではありません。このことに関してはこちらに詳しく書いておりますので興味のある方はご覧ください。

あなたのお母さんはがんかもしれませんが、しかし、緩和ケアを紹介されたからといっても、がんが進行しているとは限りません。今はがんの早い段階から、緩和ケアがなされることも多いのです。お母さんの病気の状態は、お母さんの主治医に確認すれば詳しく教えてくれると思いますので、ぜひ相談してみてください。

さて、もう1点、あなたがお困りのことがありますよね。それはお母さんのがんのことを誰にも相談できなくて、いろいろ考えてしまうこと。そして、それのせいで眠れない日々が増えてしまったこと。

自分はお母さんに何をしてあげれば良いのか、何から手をつけていけば良いのか分からない。

人によっては自分のせいでお母さんががんになってしまったのではないかとまで思ってしまう人もいます。

実はこのように感じているがん患者さんのご家族は多いです。

そのような時は、ぜひ緩和ケアに相談してください。

あなたは、がん患者さんのお母さんのことが心配で、身体的、精神的に辛い状況にあります。そのようなご家族も実は緩和ケアを受ける対象なのです。

不眠はがん患者を抱える家族の4割以上が訴えるという報告もあります。

あなたの不安は家族であれば当然感じるものです。そのような不安は緩和ケアチームに相談してください。

ご家族であるあなたにも緩和ケアは必要です。患者さんの家族であるあなたは患者さんを支える重要なサポーターであると同時に、緩和ケアのサポートを受ける立場でもあります。

ご家族であるあなたは「第2の患者」であることを知っておいて下さい。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

私は、緩和ケアをすべての人に知って欲しいと思っています。
このnoteでは緩和ケアを皆様の身近なものにして、より良い人生を生きて欲しいと思い、患者さん、ご家族、医療者向けに発信をしています。

あなたのお役に立った、と思っていただけたたら、ぜひ記事にスキを押して、フォローしてくだされば嬉しいです。

また次回お会いしましょう。

お大事に。

ここまでお読み頂きありがとうございます。あなたのサポートが私と私をサポートしてくれる方々の励みになります。 ぜひ、よろしくお願いいたします。