第446話 脳内に動画が流れ、エッチなのにイヤらしくない⁈ 素人が大好きな歌を2つ、解説する(書き直し集-その11)
◆僕は、俳句も短歌も素人だ
先に白状させていただくが、僕は、俳句に詳しいわけではない。
短歌も、まったくもって素人で知識もない。
小学5、6年生の時に、担任の先生の方針で小倉百人一首を暗記した。
百人一首大会(リーグ戦)が開催され、2年間、百人一首に触れた。
その程度だ。謙遜などではなく、それが事実だ。
なのでこの記事は、単なる「素人の感想」にすぎない。
お忙しい方は、読み飛ばされても致し方ない。
もちろん、最後まで読んでいただけたなら、めっちゃ嬉しい。
僕自身は、書き終えて、もう1度読んで、今ニヤニヤしている。
◆俳句
僕が、大好きな俳句。
柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺
正岡子規の俳句。説明不要の、キングオブ俳句。俳句オブ俳句。
僕は、理屈っぽい人間だ。
だから若いころは、この俳句の良さがわからなかった。
「柿、食った。鐘が鳴った。・・・だから、なに?」と思った。
それが、いつからだろうか。
「いいなぁ・・・」と、思うようになった。
映像が浮かぶのだ。脳内に、動画が流れる。
ちなみに、Wikipediaには【「法隆寺の茶店に憩ひて」と前書きがある】という解説があった。
その解説を無視して、僕の、脳内の映像を書く。
旅人が、山道を歩いている。
熊野古道かもしれない。
旅人は小腹が減って、ひと休みする。切り株に腰を下ろし、さっき貰った柿を食う。すると、
「ゴ~~~ン~~~…」と、遠くに鐘の音。
旅人は、音の方角に顔を向け、小さくつぶやく。
「法隆寺か・・・」
なぜか、バガボンドの沢庵和尚(たくあんおしょう)の絵が浮かぶ。
バガボンドに、そのようなシーンが、描かれていたのかもしれない。
風情というのだろうか。
なんともいえない、ゆったりとした感覚にいざなわれる。
僕は、この俳句をキッカケに、風景描写が好きなった。
「風が吹いている。そんなに強い風ではない。それでもススキを揺らすには、充分な風だ。そして満月。満月はまだ低い位置にあり、そのせいで少し大きく見える。しばらく佇んでいると、風が冷たいと感じた。」byじょーじ
まさに、「だからなに?」ってヤツだ。
いま、10秒で書いたが、なぜか、好きなんだよなぁ・・・。
この【風景描写の良さ】を、誰か、言語化してくれないかなぁ。
◆短歌
僕が、衝撃を受けた短歌。
やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君
今度は、短歌だ。与謝野晶子の、おそらくは1番有名な短歌だ。
僕はこの歌が、大好きでたまらない。
本来、この歌は、解説する必要はないだろう。
そして、僕ごときが解説するなんて、大変おこがましい。
しかし、僕なりの、すごく短い解説を、大好きなゆかりちゃんのために言語化したい。
まず、現代語訳。
この私の柔らかい肌の熱い血のたぎりに触れてもみないで、さびしくはないのですか?人の道を説いているあなた。
もう少し、わかりやすくしよう。
まず、時代だ。
この句は、歌集『みだれ髪』の中にあり、明治時代の後期に発表された。「男女七歳にして席を同じうせず」という、そういう時代だった。
7歳になったら、男女がとなりの席に座るのが、アカン!っていう時代。
そんな時代に、ドストレートに恋を歌う。
じょーじの現代語訳は、以下になる。
私の、この、やわらかい肌。・・・触りたくないの?
私の熱い情熱。私は触れて欲しいのに。なのに、触れようともしないの?
あなたは、道徳ばかりを、お話になって。
そんなの、さびしくないですか?
要は、
触って!
こっちはオッケーよ!
なのに、なぜ?
さみしくない?
カモ~ンヌ!
って歌だ。
異論は、出るかもしれないが、僕は、そういう歌だと思っている。
歌、ゆえに、むしろかえって、色っぽい。
時代背景を知ると、この歌を発表した勇気に驚く。
当然だが、当時、賛否は分かれ、今風に言えば”大炎上”した。
与謝野晶子といえば、『君死にたまふことなかれ』という詩も、超有名だ。
戦地へ行く弟へ、「死なないで」という、素直な気持ちを綴った詩。
ぜひ、インターネット検索をして、現代語訳全文を読んでほしい。
そしてこれも、時代を考慮して考えていただきたい。
当時は、『許されない』発言だったのだ。
「お国のために、立派に死んで来い」
と、言わざるを得ない、そんな時代だった。
今、記事を書いていて、涙があふれてくる。
なんって、ひどい時代だったんだ。
素直な気持ちが言えない? 言っちゃいけない?
そして、そんな時代なのに作品にし発表するなんて、・・肚が座っている。
はたして、どんな想いだったのだろうか。
どれほどの、精神力だったのだろうか。
◆結論&〆
僕は、絶景が好きだ。ゆかりちゃんと、美しい景色をたくさん見たい。
僕はロマンチストだと、自分では思っている。
ゆかりちゃんからは、
「なに、ロマンチストなんて言っちゃてるの?」
「ただのエロ、ちゃうか~?」
って、ツッコミを入れそうだなぁ。
僕は、そんなゆかりちゃんが大好きなのだ。
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