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パトカーに追いかけられヘリコプターで照らされた話 後編


南部です。

鬼滅の刃みました?ゲロ吐くくらい泣きましたね。
刀鍛冶の里編も楽しみです。
ちなみに私の推しは鱗滝さんです。彼が常に天狗のお面を被っているのは、鬼に顔が優しすぎることをバカにされたからなんですって。彼のそういう一面も好きですね。

そして前回の続き。

もう終わった。空からスポットライトがぶちあたれば逃げ切れるわけがないのだ。無駄に抵抗すれば警察に撃たれるかもしれない。
冷静に考えれば私は捕まったところでなんのお咎めも無いのだが、冷静にはなれなかった。

どのくらい逃げたのだろう。まだ5分くらいしか経ってないかもしれないし、1時間くらい走ったかもしれない。

そして先の方に、道路に覆いかぶさるように建てられた大きな橋が見えてきた。
MもLAローカルなので、LAの道はほぼほぼ把握しているようで、「この橋の真下の細い道に入るから車から飛び出て違う方向に逃げろ。」
なにも言わなかった。状況を整理するのに精一杯で、「わかった」も「そんなことできない」も、何も口から出なかった。

橋の真下なら空からは見えない。ヘリコプターは撒ける。
しかしパトカーはどうだ。小道なんて入ったら不利じゃないのか。
橋に差し掛かる。
車のスピードは落ちない。作戦変更なのか。
その瞬間急ブレーキがかかり、車が90度に曲がる。
しかし本当にこんなことしてないでカースタントでもやればいいのにと思うほど運転が上手で、座席に体がめり込むほどの猛スピードを出していたところから急ブレーキで細い道にぶち曲がったのだ。

「RUN!!!」

みなそれぞれのドアに手をかけ転がり出る。
こいつら全員経験あるのか?

わたしも少し出遅れてドアを蹴りあけ走る。

目の前には民家と民家の間に細い道。ここで柵を飛び越えて犬に吠えられながら逃げたらかっこよさそうだが、最愛のおばあちゃんが天国で悲しんでしまうので細い道をひとりで走り始めた。

皆様、数年前に公開されたstraight outta comptonという映画をご存知だろうか。冒頭でEAZY-Eが必死に民家の敷地内や小道を逃げ回るシーン。
緊迫度レベルはアレである。

私は走って走ってもう全集中・デブの型・睡眠時無呼吸であった。痣が発現して下弦の四の鬼くらいなら討伐できた。

そして比較的大きな通りに出た。
膝の高さほどの木が並ぶ茂みの後ろに倒れ込んだ。
落ちていたトロピカーナのペットボトルのゴミに入っていたジュースが、洋服をつたって冷たく肌に触れた。いまだにトロピカーナのロゴをみると罪悪感と恐怖で肛門がギュンッとする。

やっと気づいた、私は捕まったところでお咎めはない。しかし私は嘘つくのへたへた選手権チャンピオンなので、捕まればごまかすようなことはできない。かといって真実を話せばスニッチになってしまう。
外国人の私を”いとこ” “チビ中国女”と呼び仲良くしてくれた友達を盾に護身することなど絶対にできない。
私には大切な人たちを裏切らないことくらいしか取り柄がないのだから。

そうこうしているうちに我にかえり顔を上げると、見たこともない土地にいた。時刻も遅く誰もいない。逃げた。終わった。皆逃げきれたのだろうか。

そして友人たちと連絡を取り合い無事に家に帰ったのだが、
Mがその後どうなったのかはご想像にお任せします。

書いてたらいろいろ思い出してぐったりしてきたので終わりです。
皆様も悪いことはしてはいけません。
お天道様は見ています。
読んでくださりありがとうございました。


終焉

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