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特別なときだけじゃなく、くるおしいほどの日常を。

最近、三男の夜泣きが多い。

寝返りも自在になり、ずりばいでどこまでも探検しにいくから、きっと日中の経験が脳にびんびん刺激を与えてるんだろう…と勝手に想像する。

昨夜も、2時間おきくらいにふええーん!と泣き、むくりと起き上がって隣で寝ている私のわき腹に頭突き…というのを繰り返していた。


そんなわけで、最近の私は寝不足だ。

正確には、長男が生まれてから6年近く、ずーっと寝不足気味ではあるのだけど、そんな日々の中でも、特に夜泣きが激しかった次の日は燃え殻になっていることも多々ある。

今朝もそんな様子だったので、夫は1人で起き、慣れた手つきでグラノーラを用意して食べてくれていた。

その後、起きてきた5歳長男、3歳二男と一緒に私ものろのろと立ち上がり、なんとかパンを食べさせた。

今週は夫が早番じゃないから、夫が兄2人を保育園に送ってくれる。特に今日みたいな寝不足の朝は、心の底から助かる。


8時半くらいに三男が朝の短い昼寝をしたので、その時に一緒に寝ちゃおうかなとも思った。

でも、梅雨の晴れ間、午前中の日差しがもったいなくて、たまった洗濯物を洗濯した。哀しいかな、主婦のサガである。


あーでも、頭が重い。くらくらする。

目の前に、薄い灰色のフィルターがかかってるみたいに、世界がどんより見える。

洗濯機を仕掛け、ちょっとゆっくりしようかな、と腰をおろしたら、

「ふえぇーん!」

…三男が目を覚ました。


寝不足の時は、なんだか思考がマイナスにかたよる。

たぶん、脳みそが適確に働かなくなって、あらぬ想像をしてしまうからだろう…と、また勝手に想像している。

ちなみに私は、まったくもって脳の専門家ではないけど、ちょっとの知識から体で何が起きてるのか想像するのが好きなんだ。


泣いてる三男を抱き上げて、よしよししながら、

「あー昨日も今朝も、長男、二男に優しくできなかったな…」

となぜだか無駄に凹む。

長男や二男だって、こうやって抱っこして、よしよしして欲しい時があるだろう。

ちょっとだけ、兄2人が赤ちゃんだった頃の笑顔が、まぶたの裏でちらつく。


ぴーぴー。がちゃん。

洗濯機が「センタクオワッタヨー」とドヤ顔で告げた。

はいはい、おつかれ!今、干すからね。

三男を抱っこし、脱衣所に置いてある赤ちゃんソファに座らせる。

いつもなら、このソファからすぐに抜け出す三男だけど、脱衣所では別。

私が洗濯物を干してるのを眺めるのが好きらしい。

これに気づいたとき、抱っこと授乳以外で、三男がごきげんになるポイントがみつかったことがとてもうれしかった。

少しずつ、三男の世界が広がってきたんだな。


いったん脱衣所で洗濯物を干してから、ハンガーごと外に出そうと、洗濯機の横の窓をあけた。

梅雨の晴れ間、少し濃いめの灰色雲の間に明るい青空がのぞいている。

生暖かい風にまじって、すーっと涼しい風がふき、半袖から出た二の腕を「あれ?今日半袖なの?」とくすぐりながら、向こうへ抜けていく。

うん、ちょうどいいから半袖でゆくよ。

風との一瞬の会話が、気持ちいい。

胸のどんよりを風が一緒にもっていってくれたみたいだった。


ふと足元の三男をみると、なんとも言えない穏やかな表情でにっこり笑っていた。

風の声が聞こえたかな?

思わずポケットからスマホを取り出して、何枚か写真を撮る。

ほほえむ三男の向こう側に、すぐに隣家の壁がみえるほどのわずかな細長い庭。

そこに、洗いあがったばかりの洗濯物たちが、さっぱりした顔つきで風にはためいている。


日常だ。

くるおしいほどの日常。

だけど、育休中でなければ、平日のこんな時間に、こんな風に脱衣所で洗濯物をながめてはいられない。

そう考えると、すごく非日常だ。


そもそも、日常と非日常の境界線は曖昧で。

だからこそ、「初めて歩いた」とか「お誕生日」とか特別なときだけじゃなく。

くるおしいほどの日常について、写真と、それからなるべく美しい言葉で残しておきたいな。

そんな思いが胸をかすめた。

noteは、素直な等身大の自分がいられる場所にしたい。


平凡な1日なんてない、毎日が特別…なんて言うつもりはない。

日々繰り返される、重苦しいルーチン作業がボディブローのようにじわじわ人を苦しめることもあるから。

だけど、ふと目に留まった、何気ない日常を、心を動かす瞬間を、いつもとらえられる準備をしておきたい。

いつのまにかツボミが花になり、少しずつ色を変えていく紫陽花みたいに、子どもたちも、あるいは私たちも、ゆるやかに変わっていくのだから。


これは寝不足の頭でぼーっと考えたことだけど、きっと私の中で長年くすぶってきた想いだ。

だってほら、眠りに落ちる直前の、夢と現実のはざまって、なんだかすごくいいことを思いついたりするでしょう?

寝不足は案外、そんな素直な自分の想いに気づけるチャンスなのかもしれない。

そんなことを、また寝不足の頭で考えてると、あれ? 今が現実なのか、はたまた夢なのか、自信がなくなってきた。

眠い。

眠すぎる。





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