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村上ソングズ②「神さましか知らない」

 久々に村上ソングズを読む(病院の待ち時間)


 村上さんは言う

 もし君がどこかに去っても、人生はつづくかもね。
 そう、人生はつづくのだ。この曲の本当の切なさと美しさは、そこにあるのかもしれない。

 God Only Knowsはビーチボーイズの曲。かなり古いけど、あのビートルズやデヴィッド・ボウイがカヴァーしている動画も見つかる名曲。(夫が言うには山下達郎もカヴァーしていたそうだ。)

 なかなか美しい曲だね💛
 村上さんの訳はこれ

神さましか知らない
いかなるときにも君を愛するとは、言い切れないかもね。
でも見上げる空に星があるかぎり
僕の想いを疑う必要はないんだよ。
時がくれば、君にもそれがわかるだろう。
君のいない僕の人生がどんなものか
それは神さましか知らない。
もし君がどこかに去っても
人生はつづくかもね。でもそれでは、
この世界が僕に示せるものなど何ひとつない。
そんな人生に、なんの値うちがあるだろう。
君のいない僕の人生がどんなものか
それは神さましか知らない。

 原詩も短いので記録。

God Only Knows
I may not always love you
But long as there are stars above you
You never need to doubt it
I'll make you so sure about it
God only knows what I'd be without you
If you should ever leave me
Though life would still go on believe me
The world could show  nothing to me
So what good would living do me?
God only knows what I'd be without you

 やはり美しく悲しく・・切ない。単なるあま~いラヴソングではないから。
(作曲は、ブライアン・ウィルソン、作詞はトニー・アッシャー)

 村上さんは映画「死ぬまでにしたい10のこと」で、ヒロインがこの歌を口ずさむシーンが心に残っていると言う。家事をしながら、(音痴なのに)難しいこの歌を一生懸命歌っているシーンが・・。
 村上さんがそう言うと観たくなるではないか(笑)

 今日は久しぶりで本を読めてよかった。しかし、そんなにページ数を読めていない。なぜなら、「グラン・モーヌ」を忘れたため、「村上ソングズ」しかバッグになかったからだ。3曲くらいについて読んだらもう、胸が幸福感で満たされてしまって、その感覚を目を閉じて反芻したくなったからだ。
 村上さんの文章はわたしの心を安定させてくれる(以前も書いたけど)。わたしはどちらかというと情緒的で気持ちの上下が激しい、すぐに感情移入してしまうし・・・。だから理性的論理的端正かつ平易な表現で、どきっとするような感覚を表した文章を読むとほっとするのだ。

 よい夜だ・・・