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ガイドさんを輝かせる「同行スタッフ」【まいまい京都のメソッド公開⑨】

ここまでの記事で見てきたように、まいまいツアーでは同行スタッフという存在がとにかく重要なのだ。具体的な業務内容についてはこの記事この記事でまとめたので、今回はそれらの業務がどんな意味をもつのか、すこし抽象化して考えてみる。

■まいまいツアーの「らしさ」を保つ存在として

同行スタッフは、まいまいツアーの「らしさ」を保つ存在でもある。まいまいツアーは多種多様だ。ガイドさんも変われば、歩く場所もテーマも、参加者さんだって異なる。ツアーの構成要素はてんでばらばらだが、まいまいのスタッフがそこに同行しているということだけは変わらない。同行スタッフがいることで、どんなツアーも「まいまいツアー」として成立するのである。

以前、とある施設の方から「まいまいさんは、スタッフさんが同行しているから安心」と言葉をもらったこともある。まち歩きや体験ツアーを提供する事業者のなかには、告知だけを担い、当日の案内は見学先のみなさんにすべておまかせするタイプもあるようだ。それでもツアーを実施することは可能だとは思う。けれど、完全におまかせでは、まいまいツアーにはなり得ない。

■ガイドさんというスターを輝かせるために

なぜ、同行スタッフなしではまいまいツアーにならないのか。それは、まいまいが担っている役割を考えると見えてくる。

まいまいの役割は、ユニークな偏愛をもつガイドさんをプロデュースすること。企画から告知、そして現場運営に至るまで、その役割は変わらない。ツアー当日、同行スタッフは、まいまい京都/東京の主催者のひとりとして参加する。

以前の記事でも紹介したように、ツアーの幕を上げるのは同行スタッフだ。同行スタッフが司会者として、スターであるガイドさんを舞台に招き入れる。

なぜ、このような手続きが必要なのかといえば、まいまいは街のいたるところが舞台になるからだ。お寺や神社や名建築など、その場に足を踏み入れるだけで非日常の体験が始まるけれど、まいまいツアーはふつうの駅前からスタートするツアーも多い。そういうときは、場の力を借りて、特別感を演出することができない。

そこで、同行スタッフの出番なのである。これから、非日常のまち歩きが始まるということを高らかに宣言して、参加者さんのワクワク感を高めて、ツアーが始まる。非日常の時間を演出する舞台装置のひとつとしても、同行スタッフは重要な役割があるのだ。

■共同プロジェクトとしてのまち歩きツアー

まいまいはツアーという“商品”を“お客様”に販売するという一方的な営みではない。まいまいのツアーは参加者さんとガイドさん、そしてスタッフがともに楽しさをつくりあげていく「共同プロジェクト」なのだ。

だからこそ、まいまいの同行スタッフは、一般的に想像される「添乗員」とは違う。参加者さんといっしょに楽しみ、いっしょにガイドさんの話を聞いて、いっしょに食事をとる。スタッフがおおいに楽しむことで、ガイドさんの面白さをより引き出し、参加者さんの楽しみをさらに増幅させることができるのだ。

参加体験の楽しさや満足度の最大化を目指すなかで、こうしたスタイルが自然と生まれてきたのだ。

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