中島哲也監督作品「渇き。」
私は小松菜奈ちゃんが大好きだ。
ドコモのCMに制服で出ていた時、おそらくすごく若かった彼女は、普通の制服だったのにただならぬ魅力を放っていた。
アンニュイで大人びた表情と色気。
どこか不思議な雰囲気と、透明感、儚さ、美しさ、ウブさ。
この子は誰なんだろう。そう思っていた矢先、『渇き。』の主演に抜擢されて「この子」の正体がわかった。
中島哲也監督は、「告白」などサスペンスミステリー系が素晴らしくうまい。スリラーもかな??「渇き。」は構成が面白く、彼女の本当の姿が徐々に見えてくる。その彼女の魅力が引き出された、それが故に引き起こされた事件とも言える。
私は、前回話した「リップヴァンウィンクルの花嫁」と同じくらいこの映画も観ている。もう買えば?というくらいネットレンタルしている。
血が出るシーンもいっぱいあるんだけど、そこどうこうじゃなくて、彼女自身の中が崩壊されていてそれはまるで彼女の愛読書「不思議の国のアリス」の世界みたいにもうはちゃめちゃになって行く。何でもいい、自由でいい、全部はちゃめちゃで、アリスは深い深い穴に落ちて行く。そんな女の子の物語のアリスであるかのような・・・そのミステリアスさに、人は惹きつけられ魅了され美しさに愛してしまう。彼女の中で彼女は生きようとしていた。でもそれは正気ではいられなかった。ただ、それだけのこと。
私は、それを画面を通して客観的に眺めて、アリスの世界に入り込む。
この世は、現実だけど、現実じゃない。
だから好きに生きればいい。
何にも障害はない。ただ自由に生きればいい。そう言われているような気がするのだ。きっと映画としての意図するメッセージは違うと思うんだけど。みんな、全員不器用で、でもただ愛が欲しい、愛に飢えていたというだけなんだろう。
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