読書レビュー:医療「名医が教える男性妊活の最強辞典」
男性向けの不妊治療の本です。
そもそも不妊とは?
まずは不妊の定義から。
よく知られていることですが、不妊の5割は男性側にも原因があることが分かっています。不妊治療をする際に、女性だけが婦人科に通院するのでなく、男性自身もクリニックで検査し不妊に対して「予防」しておく必要があります。
3人に1人が根拠はないが自分の精子は問題ないと思っている
にもかかわらず、本著によると精液検査をしたことある人が13%のみ。
精液検査未実施理由の第一位は、「自分に問題があると思わないから」が38%。
多くの男性が、男性側にも不妊の原因があるこ可能性をうっすらと理解しながらも、実際に「自分は問題ない」と思っていることが分かります。
世界的にも年々悪くなる精液の質
しかし現状としては、男性の妊活の必要性は女性ほど取り上げられません。
なんと、世界的に見ても精液の質が年々悪くなっているという現実があります。
原因ははっきりと分かっていないとのことです。
4人に1人が精液の所見が悪い
年齢が高くなるほど精液の所見は悪くなりますが、若い人でも問題があるケースがあります。著者が担当したブライダルチェックを受けた男性では、以下の数値だったようです。
また、精子DNA断片化率の検査もあります。精子の中の遺伝情報が崩れていると、受精しづらく、また、受精しても流産しやすいことがわかっています。
男性不妊の原因
男性不妊は、環境や生活習慣などの影響も指摘されています。
うち、病気による男性不妊は、主に3つの原因が挙げられます。
なお、著者によると、年齢のラインがあるようです。
男女ともに晩婚化が進むと、妊娠しづらくなります。
三大男性機能
男性機能とは、女性を妊娠させられることができる機能を指します。その機能は、卵子と結びつく精子を作る機能(造精機能)と精子を女性器へ送り込む機能(性機能)にわけられます。
当たり前ですが、射精しない限り女性は妊娠しません。その妊娠に必須である射精に責任を持とうという空前のブームを世界で巻き起こした本もおすすめです。
精子を作っているのは精巣で、健常な男性であれば1日あたり約5000万〜1億個の精子がつくられています。女性を妊娠させるに必要な男性機能を著者は3つ出しています。
近年女性だけでなく男性にも更年期障害が起こることが知られるようになりました。引き起こす原因は、テストステロンの分泌の減少があります。
テストステロンの分泌量のピークは、20代です。以降は低下し、40歳を過ぎたころから生殖機能の衰えを自覚する人が増えていきます。
なお、女性の更年期障害についてはこちらもご覧ください。
日本人男性の精子数
2006年にショッキングなニュースが発表されました。
生活習慣が関係しているのではと考えられます。
所感
男性視点での妊活の本はありますが、医学的な本はまだ少ないでしょう。後半では具体的にどのように生活習慣を改善していくか、ブライダルチェックはどう進むのかの解説があります。
女性の生理にも、子宮という内臓の理解が不可欠です。
不妊の予防として、生活習慣でできることが明瞭に書いてあり、興味がある方はぜひご覧ください。
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