Product-Led Growthサービス運用を助ける動画・チャット海外サービス4選+番外編
Product-Led Growthなサービスとして成立するには、顧客ドリブンなサービス購買と利用を促す必要があります。
世界中のユーザーからの疑問懸念を効率的に対応する、海外のProduct-Led Growthサービスでよく利用されている動画・チャットサービスをまとめました。
1.Loom:動画によるコミュニケーション効率化
YC出身、Andreessen Horowitz, Sequoiaなど著名VCから合計200億を調達し、世界で12万社900万人が利用している動画撮影・送信サービス。
ユーザーが操作に困った時、テキストで現象を説明してと伝えるのは酷です。大体のユーザーは説明ができません。
それを解決するのがLoomです。
サービス管理画面の上にあるスクリーンレコードボタンをクリックし、
その場で画面を撮り(音声も追加可能)、カスタマーサポートにURLをつけて送信できます。
お客さんによる現象の言語化の手間が省け、サポート担当もメールやチャットによる追加確認が不要に。
また、操作方法を質問されたチャットやメールに、サポート担当が撮影した動画を手軽に挿入できたり、チュートリアル動画を作成できることも魅力です。
2.Grain:Zoom内のクリップ動画で伝える顧客ストーリー
Loomはプロダクト運用向けに設計されサイト設置型。対してGrainはZoom中のお客さんの声や質問をクリップして、簡単にショートビデオにできるのが大きな特徴です。Slack Fund含めシードラウンドで4億調達している新興企業。
Grainサイト上の顧客の声を聞くと、どのように動作するのかよりイメージがわきます。
3.Drift:営業を加速するマーケ・セールスツール
4回売却を経験した(うち1回はHubspotが買収)強すぎる連続起業家David Cancelによる、法人営業を加速させるマーケ・セールスサービスDrift。Sequoia Capital, General Catalystなどから総額100億円以上調達しています。
海外スタートアップのメインページに設置されているチャットだと、Drift7割Intercom2割その他の印象。下のようなチャットを皆さんも一度は見たことあるはず。
営業特化でパーソナライズされたチャットから始まり、メール送信や顧客管理もできるようになり、動画機能も入ったりと、営業を助ける機能を充実。カスタマーサポートの市場には一切見向きもせず(昔CS系メニューが出たような気もしたのですが…)、見込み顧客の分析や最近は営業パイプライン改善機能も出し営業分野を徹底して開拓しています。
対するIntercomは数年前からサポートだけでなく、Driftのような顧客獲得機能をリリースしています。ただDriftと違いチケット管理になりやや構造が異なるので、表のサイトはDrift,裏の管理画面はIntercomと使い分ける会社が多そうです。
予想として、Salesforceとバチバチ対決していくと思います。
4.Intercom:管理画面内のCS王道チャットツール
海外のイケてるSaaSサービスの管理画面には99%入ってます(小島調べ)。世界で25万社が利用する最強CSツール。営業視点のDriftと異なり、ヘルプページもIntercomのオプションとして作成でき、チャット画面に表示することができます。
そして、Product Tourという機能も登場!CS領域を貪欲に掘っていきます。
番外編:チャネルトークの調達から考察するポジショニングと今後
上記4社のProduct-Led Growthを支援するサービスとは別の考察で、たまたま本日9月6日に28億円のシリーズC調達を発表した韓国初のサービスチャネルトークを上げます。プレスリリースにあるように、接客チャット機能や、統計機能、サポートbot機能とIntercomと機能が類似していますが、以下のように差別化しています。
<Intercom>
・領域:カスタマーサポート→マーケティングにも広げる
・完全セルフサーブ型
・SMB向け→大手IT会社中心にEnterpriseにも導入
・業種:IT企業
・ノーコードアプリの機能をCS/マーケ領域で包括的に広げ、コミュニケーション機能だけに留まらない
<チャネルトーク>
・領域:カスタマーサポート&接客(ECの場合)
・セルフサーブ寄り
・SMB向け
・業種:IT企業&EC
・顧客接点を増やすための新規チャネル開発、顧客管理に注力。
チャネルトークさんは、オールインワンの顧客管理ツールとして、顧客接点とデータ集約を目指す世界観で、私からするとIntercomよりAcquireのセルフサーブ寄りに近い気はします。
今後は蓄積された会話データから、機械学習による最適接客テンプレや、接客のタイミングや実行の自動化機能が出てきそう。
終わりに
Product−Led Growthサービスでは、顧客との接点やコミュニケーションの効率化から、動画とチャットサービスの利用が促進されました。
これからは、Intercomも開始した管理画面のチュートリアルを始め、エラーメッセージを作成&表示したり、自主的ラーニングを促すコミュニティ運営を楽にするサービスなど、有名になっていくのではないかと思います。
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