【日本のロックを熱く語る】エレファントカシマシ
前回の記事にて次回はスピッツをと書いたのですが、気が変わってしまいました。ご了承ください。
どうしても今!このバンドを熱く語りたい!!
【エレファントカシマシ】
もう、あの方々は、まず生き様がカッコ良すぎる。
そしてわたしは個人的に、ヴォーカルの宮本浩次さんのあの愚直な真面目さを心から尊敬している。
彼は、日本の未来を真剣に案じて憂いておられる方だ。今どき珍しいタイプのロッカーかもしれない。
そしてあるときそのことをストレートに歌詞にした曲がリリースされた。ついにやった!!という感じだったかな。これは日本のロック界の革命的楽曲だと感じたし、様々な意味合いで、前人未到の作品だと思った。とにかくスゴいことやらかすバンドだ。
【ガストロンジャー】
歌詞を全て掲載出来ないのが残念だけど、とりあえず歌詞の出だしはこうだ。
お前正直な話率直に言って日本の現状をどう思う?
俺はこれは憂うべき状況とは全然考えないけれども、
かといって素晴らしいとは絶対思わねえな俺は。
翻って己自身の現況を鑑みるに、
これはやっぱり良いとも悪いとも言えねえなあ俺の場合は、君はどうだ?
俺はこれは憂うべき状況とは思っていないけれども、
ならばこれが良いのかと問われればまあまあだと答えざるをえないのがおおいに不本意だ。
のっけからもう無茶苦茶に率直な問いかけである。
何の覚悟も出来ないうちに初めて聴いたわたしは、
「はい?私でございますか??」
と、のっけからしばし呆然としたと記憶している。既にこの最初で、わたしはこんな曲を未だかつて聴いたことがなかった。このわたしに問いかけを…?
宮本さんはこの、一見相反するような意見が連続するこの最初の下りで一体何が言いたいのだろうか?
一言で言ってしまうとしたら、
とにかく「大いに不本意だ」
とを歌っておられるのだろう。
この時点で既にありありとその様が伝わってくる。
ただし、宮本さんがあーだこーだと歌うように現代社会は悪い側面ばかりとはやはり言い難いものだ。
具体的に例えるのなら、この国に生活保護受給制度がある限り、国民が最低限の生活に困ることはない。冷静に考えて、我々がこの国に住んでいて、困ることなど1つもないのだ。よって、これは憂うべき状況だとは全然言えないと、わたしも考えている。
国によっては、当たり前に死んでもおかしくない。
この曲では、日本の現状や人類の歴史を背景に、
そこに生きる我々へのメッセージが歌われている。
しつこいけど、全部の歌詞が書けなくて残念だな。
この出だしから容易に分かるように、この先に現代の日本の問題を辛辣に歌っているパートが続くが、
そんな不条理な現代を歌っている曲の中に、要所でガツンと心に深く染み入るような我々への力強いメッセージが対比するように存在していて、そこがこのガストロンジャーの醍醐味だろうと思っている。
以下、聴く度に勇気や闘志を貰える2つのフレーズをご紹介する。
「もっと力強い生活をこの手に。」
わたしはこのフレーズに、問答無用で励まされる。
何故だろう、毎回ハッとするし、勇気が出てくる。
力強い生活。力強い生活。繰り返すと、絶対に負けてたまるか!と思う。わたしの中の敵はわたしだ。
「だから胸を張ってさ!」
このフレーズは終盤で何度も繰り返される。
だからそう、だからそう、だから胸を張ってそう!
だから胸を張ってそうさ!
だから胸を張ってさ!
だから胸を張ってさ そう
歌詞の後半辺りまで散々、世の中なかなか上手くいかねーもんだよなーと歌ってきたのは、もしかしたらこのたったワンフレーズのためかもしれない(考え過ぎだけど)と思うほど、宮本さんはこのフレーズを力を込めて何度も何度も繰り返し歌っている。
胸を張って生きるということ
いまのわたしにとって、あまりにも迂闊に忘れがちなこの生きる姿勢は、実は、以前のわたしには当たり前のように自然と出来ていたような姿勢だった。
それが出来なくなってしまったのは、あるときに事情があり世間に負けを認めてしまったときからだ。
わたしは、以前はこの社会での言わば勝者だった。
それが一転して敗者、言い換えると『弱者』に成り下がったときから力強い生活を送ることも胸を張って生きることもすぐに忘れてしまうようになった。
日本は弱者に冷たい国だ。これだけお伝えしよう。
だからこそ、わたしにはこのガストロンジャーという楽曲が、以前より遥かにどうしても必要なのだ。
この世で力強く、胸を張って生きていくことを常に忘れないように、そして、悲しいほどに全てに自信を失くしてしまうようなときに、この偉大なる激励ソングにありったけの闘志と勇気を貰えるように。
それではここで、冒頭の宮本さんの問いかけに自分なりに答えてみようと思う。持論だしエレファントカシマシとは関係ないので読まなくて大丈夫です。
「お前正直な話率直に言って日本の現状をどう思う?」
この曲が作られたのは、たしか2000年前後だと思う。それから20年が経った今、率直に答えてみる。
この20年、いや、もっと以前から始まっていたのかもしれないが、この国は順調に衰退し続けているように思う。政治経済については言及はしないが、いつのまにか民度が下がり、次第に『真面目さ』を軽視する風潮が多数を占めてきていることに対しては、非常に深刻な危機感を感じる。「真面目に生きるとバカを見る」この現代の通説には、もはや絶句するしかない。このままでは日本は危ないのでは?
もしかしたら、これは憂うべき状況かもしれない。素晴らしいだなんて絶対に思えないわ、わたしは。
宮本さんはMCで言っていた。
「真面目に!カッコよく!生きようぜ!!」
すごいと思った。
その呼びかけに『真面目』という言葉が入っていることが意外で、嬉しくて、頼もしく思われたんだ。
そう、わたし自身も真面目に生きていることにどこかしら疎外感を覚えていた。現代では真面目な人はもはやマイノリティで、ちょっと心もとないのだ。
そんなときに「真面目」さと「カッコよさ」この2つを宮本さんがみんなに呼びかけているのを見て、やはり真面目に生きることとは、カッコよさに並ぶ、そのくらい価値があることなんだ!と思えた。
そして宮本さんもまたそういう人だということがあらためて理解できて、長年この人と共に時代を生きてきたことは決して間違いじゃなかったと、そのときばかりはミュージシャンとファンとしてではなく、人間同士としての結束みたいなものを感じた。
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.エレファントカシマシについて熱く語るつもりが、ガストロンジャー一曲だけでここまで熱くなってしまった。しかし、これまで書いてきた通り、わたしにとってこのガストロンジャーとは、まさに私的な意味で革命的な一曲であり、わたしのロック人生に於いても、これ程の思い入れのある楽曲はもしかすると数を数えるほどしかないかもしれないと思う。
(ブルーハーツ以外)
もし少しでも興味が湧いた方は聴いてみて欲しい。
何コレ?曲なの?最初はそんな感じでいいと思う。
しかし、エレファントカシマシは、もちろんガストロンジャー一曲では語れない。よって次回もエレファントカシマシ第二段を熱く語ってみたいと思う。
最後に、エレファントカシマシは、日本のロックバンドの中でも最も男らしいバンドの一つだろうと思っている。わたしはそこに惚れたのかもしれない。
そして、わたしは今、宮本さんたちが住んでいた赤羽の隣町に住んでいる。ちょっとした自慢かしら。
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