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過去へのラブレターを書いてみた後、振り返れば過去の自分が笑って手を振っていた話

トップ画像は、数年前に母親がわたしが産まれて初めて描いた絵と名前をプリントしたクッションカバーとして注文してプレゼントしてくれたものです。
なかなか粋なプレゼントでずっと愛用しています。

さて、先ほど他の方のノートで「過去へのラブレター」という記事を読みました。
過去の自分へ手紙を書くという発想が素敵だなと共感したので早速わたしも書いてみることにします。

今までの君へ

小さな頃から大人たちの争いごとに巻き込まれてばかりいた君は、ただただみんなに仲良くして欲しいから誰の味方もしないでおこうと心に決めたよね。
頑なに中立でいることで、ときに敵扱いされるような理不尽な言動にも耐えて、みんなに仲良くして欲しいから味方しないって、大人たちに言ってたね。

あれはね、それで良かったんだよ。正しかったの。
第三者がみんなに仲良くしてもらうためには、中立でいること。誰かの味方や敵になるべきじゃない。

結局みんな仲良しは実現出来なかったけれど、君のやったことはとても正しくで立派な行いだったし、
あんなに小さな君が、既に平和主義の概念と強い正義感を持っていたことにわたしは敬意を表します。
よく自分を曲げずに耐え抜きました!

そして、ようやく人生が問題なく行き始め、さぁこれからというときに、発病。突然精神障害者となり、苦難の日々が始まった。君は不思議といつも、精神障害者を偏り見ない素敵な男性とのご縁があったから、多少のことは乗り切れていたけど、家に一人でいるときにはいつも孤独で常に酷いストレスを抱えていて、リストカット(自傷行為)をしたり、アルコール中毒になりかけたりもしていたんだよね。

頼ろうと思えば頼れる存在が側にいながら隠れて孤独と戦っていたのはもちろん相手に迷惑をかけたくなかったんだろうけど、わたし、君がもっと歳をとってからこんな話を聞いて考えをあらためたんだ。
聞いてくれる?


人に迷惑をかけたくないという動機は、ただの自惚れであり、自己欺瞞である。その気持ちの根底には、自分が相手に対して迷惑をかけられるくらいの影響力を持つ人間だと過信があるのだ。仮に自分が迷惑をかけたと思っても相手にその自覚が芽生えなければ迷惑をかけたことにはならないのにとにかく迷惑をかけたという気持ちに執着するのは自己顕示欲のせいだ。助け合いの世の中でそのような歪な考えを持っていると上手くいくものも上手くいかなくなる。人に頼んだり頼るときには、迷惑をかけるからという動機は捨て、相手への配慮や好意に感謝すれば相手との人間関係はさらに深まることだろう。


これを知って、迷惑かけるからっていうのはとにかく高慢なことなんだなーと思ってもうやめたんだ。

頼るべき相手に頼らなかったあのときの自分は、結局はその相手を裏切っていたのかもなぁと思うし。
だって二人は頼り頼られる関係だったのに自分だけ頼らずに、きっと反対の立場なら寂しく思ったよ。
きっと、信頼関係か出来ていなかったんだろうね。

ある人とはその後、揺るがない信頼関係が出来たから、その後は頼り頼られで孤独とさよならできた
自分を孤独にしていたのはそんなものだったんだ。

あのとき君は少しも悪くないんだよ。よく一人頑張ったと思う。だけど、知っておいた方が良かったなと後から思うこともたくさんあるから、わたしが学んだこととして、ここに書いておくことにします。

知らない男性が怖いから近づかないで欲しい、性別問わず身体に触られるのがどうしても嫌だという君のその厄介な習性もたぶん家庭環境からのもの。それ故にか、とにかく男の人の気持ちが分からずに男の人を愛することが出来なかった。だから恋人にどれだけ愛されていても自分は無邪気に恋をしているだけでかつての恋人たちは貴女から愛されたいと思いながら貴女を優しく見守ってくれていたみたい。

でも、ついにそんな悲しい君にとって、きっと無意識のうちに求めていたはずのお相手と巡り会えた。
彼は君の様子を見てまず恋愛関係より信頼関係から始めようと言ってくれた。彼はなんでもきちんと分かりやすく言葉にしてくれた、初めての人だった。

信頼関係に数年かけてようやく本当の恋愛関係が始まり、そこからさらに数年、彼は男の人の愛し方を教え始めた。彼は最初に、君に俺を愛して欲しいんだ。ときちんと言ってくれた。君はその気持ちに応えなきゃと思い、戸惑いながらも素直に彼に従った。愛せたときの喜びは、言葉にならなかったね。

ねぇ、貴女が初めて愛した男の人は、もしかしてそのくらい深く貴女のことを愛していたんじゃない?
わたしは今になってやっとそう思うんだけどなぁ。

突然その彼を失い、貴女は彼が消えた理由も分からないまま漠然と時間を過ごし、やがてあまりにも辛いから諦めようとし始めた。当たり前のことよね。

わたしね、ここがこのラブレターで一番感謝の気持ちを伝えたいと思うところなんだけど、

諦めないでくれて本当にありがとう。

君は失恋の痛みで必死で諦めようとしてきたけど、ニ年が過ぎたある日パチンと諦めることを諦めた。

わたしには、彼を諦めるのは無理だと悟ったから。

でも、その諦めないという選択は、もう彼はいないのにひたすらに彼を想い新しい恋を求めないという

孤独の道かもれなかった

君は孤独には耐えられそうにないと不安を残しながらも強い意志で敢えてその孤独の道を自ら選んだ。
君はまだ彼を愛しているのに少しも諦める必要はないし、この愛は二人で育んできたものだから絶対この愛を消したくないという結論に至ったんだよね。

何の見返りもない愛。
彼が教えてくれたのは、真実の愛かもしれないな。

彼を失ってからも尚続く、精神障害と闘う壮絶な年月を送る君には、もう頼る人もいない。だけど、大きな心の支えを失った君は、今度は彼のように強くなりたいと、彼のあの強さにひたすら憧れ見習うことで、繰り返す難病から何度も立ち上がってきた。

過去の君へ

君は人知れずよく頑張って生き抜きました。

どんなときも周りに流されず自分を曲げないことやどんなに辛いときでも大事なものは決して諦めてはいけないということを教えてもらった気がします。

過去のあなたに是非知って欲しいことがあるのよ。

わたしは今、彼の存在だけで幸せなの。
君が辛い思いをしてわたしに引き継いでくれた彼。

あるとき過去は大事な思い出だけ残して全部忘れてしまうことにしたら、彼との出逢いに心から感謝する日々だけが残って、わたしは君が不安に思っていたような孤独なんかではないことに気がついたの。
だから、安心してちょうだいね。大丈夫だったわ。

何が突発的に見返りを求めると途端に辛くなりそうだったけれど、今はもう会いたいとか声が聴きたいとか辛くもなく自然に思えるし、嫌いで別れたのではないのだろうから、いつかまたどこかの街角で出逢える日が来ればいいなと思って待っているんだ。

わたしには、やっぱり彼しかいないんだ。
たぶん彼しかいないような気がするんだ。

昔の君へ

君がした苦労からの決断は、なんと!全てが今のわたしの幸せに繋がっています。本当だよ(*´꒳`*)V
君が決断してくれたから、わたしは幸せになれた。

必死に生きていれば、きっと神様は悪いようにはしないとすら思えるくらい導かれている感じがする。

それらは今のわたしが自分の生き方を決めて、新しい人生を始めようとしているから分かることで、わたしに生き方や人生について真剣に考えるきっかけがなければ君の頑張りが報われたことに気付かず、また同じ過ちを繰り返していただけかもしれない。

小さな頃いろいろあったことも今の自分を作ってくれた大事な出来事だから今では親孝行もしてます。

精神障害で失った20年の歳月は、わたしが今から新しい人生を始めるまでのただの待機時間でした。
失った人や失ったものはきっと必要なかったもので、もしも大切ならいつか戻ってくるのでしょう。

君の頑張りに対してどう報いればいいのかまだ分からないけれどこれからのわたしを見ていて欲しい。

君が願った幸せは、わたしが必ず叶えてみせます。
ありがとう、今までの君。

これからのわたしより


なるほど、過去へのラブレターを書いてみて、人生とは今の連続ですが、時々は振り返ってある地点からの過去の人生を思い出してみることも大変有意義なことだと実感しました。自分か過去の時間のどの時期についてこだわっているのかが明確になり、そのこだわりの原因を考えたり当時の心境を思い返したり出来るし、その集大成として今の自分があるわけですから、そのとき(過去の自分)の自己評価を今の自分が出来るのが最大の特徴だと思いました。

ラブレターにあるように、あのときの苦労は今の幸せのためだったときちんと腑に落ちるまで理解するには、自分のこれからの人生がしっかり定まっていなければ無理だと思います。人生が定まらないうちにこのような作業をしてもなんとなくもしかしたらそういうことかも?くらいで終わるかと思います。
おそらく人間とはそういう風に出来ているのです。自分の人生とは決して何かに身を任せるものではなく、自分で定めて歩いていくものです。振り返ってみれば、過去の自分が笑って手を振っていますd(^_^o)

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