脱力の達人
以前、わたしは全身を脱力させる、力をぬくことがすごく苦手だった。
というか、自分が力んで生きているということも全く自覚していなかった…
たとえば、ネイルサロンに通っていたときのこと。
毎回ネイリストさんに
「指の力ぬいてもらえますか?」
って言われるけど全然指先の力がぬけない…
病院の検査や採血のときなんかも
「ラクにして、力ぬいてくださーい!」
といつも言われるけど、やっぱり力んでしまう…
今思うと、昔は人間不信(裏を返せば自己不信)になっていたので、一歩外に出ると鎧を着て、戦闘態勢のスイッチオン!
どこからも攻撃されないように、と力を入れて自分を守っていたんじゃないかと思う。
それが通常モードになりすぎて、リラックスして良いときも力が抜けない…そんな状態になっていた。
CAとして働いていた頃は特に、毎日不規則なフライトに合わせて生活していたから、昼夜問わず交感神経のスイッチがオンになりやすかったのかもしれない。
その後、心や精神の学びを深めたり、数年前からは、身体にも向き合うようになって、いかに自分が力を入れすぎて生きていたかにようやく気づくことができた。
そんなときに、わが家の愛犬ころ助を見て気づいたこと…
うちの子は脱力の達人だ、と。
身体をすべて、わたしたち家族や、地球に預けて生きている(笑)
彼を見ていると、なんだか自然と力がぬけていく。
こわばっていた心の鎧も解けていく。
この世界は温かくてやさしいんだよ。
もっともっと信頼していいんだよ。
そんな風に言われている気がする。
昔のわたしは一体何と闘っていたんだろう。
やっぱり敵は外ではなくて、自分の内側にあるんだよね。
わたしは嫌われる。
わたしは受け入れてもらえない。
わたしはダメなやつだ。
そんな思い込みがあると、どんどん自己不信に陥って、外の世界も信頼できなくなっていく。
かたや、うちのころ助はどうか。
「人類みなボクのことが好き。」
といわんばかりに、会う人会う人、みんな自分のことが好きだと思って近づいていく。
家でピンポンが鳴ると、宅配便のお兄さんだろうが、誰でも構わず玄関に飛んでいって大歓迎。
彼にとって世界は、とても優しく温かいのだろう。
わたしもそんな世界に住んでいたい、そう強く思った。
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