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雑誌のひよっこ編集者、初めての取材

4月から転職して、雑誌の編集者として働くことになった。
作る雑誌はパン業界向けの雑誌。
業界のことも何も知らず、そもそも編集経験もないなかで、全く新しいスタートをきることになった。

そんな、足元も覚束ない、ひよっこ雑誌編集者の学びというか、気づきや感想を残しておこうとこのnoteを書いている。
知っている人からすると、そんなの当たり前というところなのだろうが、ひよっこの私にしては、物珍しかったり、感動したことをそのまま素直に書きたいと思っている。

初めての取材は、とあるパン屋さんのパン職人のインタビューだった。
先輩の編集者と、プロのカメラマンと一緒に取材に訪れた。
先輩編集者が先導をきっているのをそばで見ながら、一緒に取材するという形だ。

取材させていただくという礼儀

取材するまえに、先輩編集者から言われていたのは、
忙しい合間を縫っての取材の協力をしてもらっているから、その礼儀は忘れずにということだった。
訪問したパン屋さんには、当然ながら一般のお客様がいる。その邪魔にならないようにしなければならい。
裏口に回って挨拶をする。
取材が始まってからも、撮影は、もちろんお客様がいない合間を縫ってだった。
本業の邪魔にならないように、敬意を払うということ、大切にしたいなと思う。

写真にこだわる

取材をはじめて、まず最初に驚いたのは、
写真をたくさん撮っていることだ。
そんなの当たり前といえば当たり前なのだが、初めて現場を見た私にとっては新鮮そのものだ。
インタビューする職人はもちろんのこと、お店の外観、周辺環境、内装、パンそのもの、誌面に乗せる可能性のあるものは片っ端から撮っていく。

カメラマンがいい写りになるように拘ってシャッターをきるのは当然だが、先輩編集者も誌面をイメージしながら、「○○なイメージの写真もほしいです。○○の角度の写真もほしいです」とどんとん指摘を入れている。

カメラマンは写真そのものがいい写真になるようにと考えている。
編集は誌面に落としたときに見栄えよくなるようにと考えている。
向き合っている対象は同じでも、微妙な視点の違いを感じ取れたのは興味深かった。

シャッターを切るたびに、タブレットに写真が転送され、それを、この写りはいいね、というふうにカメラマンと先輩編集が言い合っていた。

パンの物撮りのときも、このパンは断面が見えたほうが絶対にいいからと、お店の人にナイフをかりて、断面を見せてみたりと、
そのパンが魅力的に見えるにはどうしたらいいかと考える様は奥深いなと思った。

職人自身を撮影するときは、背景がいい感じになるポジショニングを考え、ここだというポイントに立ってもらい、私は反射板(というのだろうか?)を持って、光を調整する。
シャッターが連続して切られると、職人は照れ臭そうに笑っていた。
「いいですね、もっと笑顔でも大丈夫ですよ」

インタビュー、怒涛の質問

インタビューするパン職人には、事前に質問しようとしていること、記事の仮タイトルを伝えてはいる。
もちろん、インタビューする前には、パン屋さんHPとか職人自身の情報は調べられる限り調べていく。
事前に先輩編集者と、インタビューのおおまかな流れと、おそらく、こういう人物だろうから、記事の展開としては、こういう風に持っていこうかという話はしている。
実際に会う前のイメージと、実際に会ってからの印象の違っていることがあるのだなと気づいた。
想定はあくまで想定であって、実際は見て、聞いてみなければわからないものだと実感した。これぞ取材の醍醐味だな。

先輩編集いわく、インタビュー時の反応は人それぞれで、雄弁に語ってくれる人、本論とは別のどころで盛り上がりすぎてしまう人、一問一答かのごとく話が膨らまない人、いろんなパターンがあるらしい。
今回は、調べた事前情報の範囲でのイメージでは、雄弁に語ってくれそうな気がすると思っていたが、実際にインタビューしてみると、なかなかにクールでシンプルな無駄のない答えが返ってくる。
想定とは真反対な反応に驚きつつも、インタビューを先導している先輩編集の様子を見ていると、
「それは○○ということでしょうか」と回答を深掘ったり、「では○○についてお聞かせ願いたいのですが」とどんどんと質問を投げていく。

絶え間なく、質問を投げかけられるのがすごいなあと感心しながら、端で私はインタビュー内容をタイピングしていく。

取材が終わったあと、「よく、あんなに質問繰り出せるもんなんですね」と尋ねたところ
「記事のボリュームを考えたときに、あまりに情報が少なかったら困るからね」
と先輩編集は答えた。

あたり前といえば、あたり前だけど、
いつだって、完成された誌面をイメージしながら、取材しているのだなと実感させられた。

ゼロからどんどんと作り上げられていくという工程をすべて見ていないからこそ、今の私は完成図というイメージがつきにくい。
すべての工程をわかったうえで、どう逆算していくかというのは、これから学んでいきたいなと思うところだ。


取材後に食べるパン

写真を撮ったパンはもちろん、買い取りだから、あとで食べた。
食べて、びっくり!感動するくらいに美味しい。
もちろん、取材するくらいのお店なのだから、美味しいのは当たり前といえば当たり前なのだけど、
おそらく、取材で職人から、素材はこうこだわっていて、製法の工夫があるからこんな味わいになるんですよという具合に、
食べる前に、美味しい情報を仕入れているからこそ、より美味しく感じたのだろう。
なるほど、これがこだわりの○○かーとか、一噛み一噛みごとに伝わってくる。
雄弁だろうが、なかろうが、どう語っていたとしても、
パンという成果物にこそ、その職人のこだわりと想いが詰まっているものだなあと
ひよっこ編集者は思ったのであった。


続編書きました。こちらもよければ。


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小説家をめざす会社員。最近、雑誌の編集者になりました。そんなに甘くない現実。夢と現実に折り合いをつけながら奮闘するアラサー女の等身大の日常の記録。想いと作品。

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物書き志望が会社員として思うこと。仕事について、仕事とは、仕事ってなんだろう、仕事での気づき。仕事することについて思ったつらつらを書いています。

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