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流れる季節と風を感じたくて / 私の好きな街【鎌倉】


忙しなく6月が通り過ぎようとしている。
普段そこまで外出の多い生活は送っていないものの、こうも引きこもりがちな日々が続くと「やはりあの街、好きだなあ」と、過去幾度となく足を運んだ街へと思いを馳せる事がしばしばある。

その中でも、毎年初夏の香りがしてくると必ず訪れる街がある。

それが「鎌倉」だ。


ピーピー鳴るサンダルとハッカパイプ


一番古い記憶は、4歳頃だろうか。
祖母の家が程近いので、よく連れ出して貰っていた。
鶴岡八幡宮の屋台でハッカパイプを祖母に買って貰い、ピーヒャラピープー吹きながらうきうきと歩いた。
そういえば、今あんまりハッカパイプって見ないね。

両親共に同じ市内出身で、いわゆる「帰る田舎」が無かった。
いや、今も無いのだけれど。風情ある街並みながらに何だか親しみやすく、大袈裟にいえば鎌倉は「心の故郷」のようなもの。
大きくなってから、鎌倉は「観光地」なんだと後から知ってなんだか不思議な気分になった。

海沿いの小道、市街地を走る江ノ電、寺社を覆う濃い新緑の影。
風景を見ると、何だかほっとしてしまう街なのだ。


皐月の鎌倉を歩きたかった


春夏秋冬、どの季節も好きな街だ。
二番目に好きなのは、梅が咲き春の香りがほんのりして来る二月下旬。

一番は、五月中頃。
初夏の一番良い季節、と勝手に思っている時期だ。

緑が一層濃くなり、時折吹き抜ける風がとても気持ちがいい。


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鶴岡八幡宮からしばらく歩くと、
梅に囲まれた「荏柄天神社」がある。
こぢんまりした神社で、とても落ち着く。



長谷へ向けて歩く


そうと決めているわけでは無いのだけれど、鎌倉に降り立つと足が勝手に長谷へ向かってしまう。何か吸い寄せられるものがあるらしい。

毎度行くわけでは無いのだが、もしかしたらここの「力餅」のせいかもしれない。


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長谷の住宅街に突然現れる老舗の和菓子屋、
「力餅屋」

ここの名物「権五郎力餅」はいわゆるあんころ餅、赤福的なものなのだが、三月頃から五月末頃まではお餅がよもぎ入りの「草餅」になっている。
鼻に抜ける春の香りと、つきたてのお餅で丁寧に作られた事が分かる美味しさ。
ゆえに賞味期限は衝撃の「一日」


もっと歩く。


外観がユニーク過ぎるお店が視界に飛び込む。


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外観もだが、インテリアもさらに物凄くユニークなので是非見て頂きたい。


手作りのキーホルダーやアクセサリーが所狭しと並んでいて、
特に女子はふら〜っと吸い寄せられてしまう魔力、いや魅力がある。

私の母が幼い頃からあるお店で、現在のご主人はやはりお父様から後を継がれたそうだ。鎌倉はこういうお店が多くて、そこもとても好きな所だ。

店内で買ったものは、ご主人が目の前で名前や絵柄を彫ってくださる。
器用なものであっという間に彫るんだこれが。


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仕上がりはこんな感じ。


午前中から歩いていると、ここらで大体お腹が空いてくる。


何度訪れたか分からない、大好きな味


「ギルド」からもう少しだけ歩き、鎌倉の景観に配慮した配色のセブンイレブンを通り過ぎると見つかるのがここ。

✔︎ woof curry

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鎌倉に来たら、お昼はここと決めている。

「欧風カレー」のお店で、メニューも潔く6種類のカレーのみ。
口に運んだ瞬間、野菜とスパイスが複雑に広がってもうとにかく美味しい。
美味しさににやけてしまい、口元が緩みそうになる。


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スペシャルカレー。
好きなお肉、野菜、茹で卵が乗っている。
この時は確かポークを選んだ気がする。


今年の初夏は、コロナ渦のためカレーはおろか鎌倉へ向かう事すら許されず、
なんとも寂しい五月だった。

の、ですが!

この渦中において、woof curryさんが冷凍カレーをオンラインストアで販売開始しました、という報せが!

う、うれしい!


夫の誕生日が近い事もあり、早速お取り寄せ。

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”Thank you!” という直筆のメッセージ。
こちらこそ有難うございます…!



我が家なりの「スペシャルカレー」をいただきました。

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カレーって本当に最高だよね。



仮想鎌倉ぶらり旅に戻る。

お昼を食べたら、
長谷寺のお庭をぼんやり眺め、御神籤を引き、結果に一喜一憂したのち、もうすぐ咲きそうな紫陽花を見るも良し。
由比ヶ浜まで歩き、好きなだけ連れと語らうもよし。
来た道を戻り、小さなお店を覗いて周るもまた良し。

自分のお土産には、ロミさんの季節のジャムとサブレを忘れない。


脳内鎌倉散策を終えて


やっぱり好きな街だ。
暫く訪れていないうちに、新しいお店もオープンしているかもしれない。
コクリコのクレープについて書きそびれてしまった。
こだわって選ばれた文具が並ぶ小さなお店…は、どこにあったっけな。

古いもの、新しいもの、どちらものびのびと調和している街。

次の初夏は、また鎌倉で。
緑が濃くなり始めの、あの香りを胸いっぱいに満たそう。

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