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9/21(月)の日記 純喫茶にまつわる思い出

今日はすこし散歩をして、目に付いた喫茶店に入った。はじめて入る店。綾小路きみまろみたいな髪型をした、化粧の濃いマダムがひとりでお店を切り盛りしていた。

かなり古そうなお店だったけど、手入れが行き届いていて居心地がよかった。マダムは声がよくて、接客が上品だった。前に住んでいた街にも同じ名前の喫茶店があったような気がする。純喫茶によくある感じの名前。韓国料理ならオモニ、中華なら喜楽、純喫茶ならモニカが、私が思う、ぽい名前。

私は一年前くらいまで、大阪の下町に住んでいた。ある日朝起きたら扁桃腺のあたりが腫れていたので、家から少し遠くの内科に行き、その帰りに近くの喫茶店に入った。そこもきれいなマダムが一人で営んでいて、客席では常連らしきおじさんたちが複数人、すでにワイワイとしていた。そのうちの一人のおじさんが、なぜかコーヒーなどの配膳を手伝っていた。そのマダムに好かれたいのだろうか。こちらにはなんの説明もないし、マダムも特段そのおじさんに感謝や遠慮があるわけでもなかったので、毎度のことではある様子。このおじさんはシフト終わりの従業員なのかもしれないとも思ったが、おじさんは少し他人行儀でテンションが高めで、周りのおじさん仲間に「こんなことまでできちゃうマダムとの関係性」をアピールしているようにも見えたので、私の中でその説は消えた。

この一連の様子がおかしくて、笑いを堪えながらコーヒーを飲んだ。こういう謎ルールや謎カルチャーとの出会いが、個人店の醍醐味だと思う。お店を出ると、入り口に「このあたりの再開発に伴って当月内にお店を閉店する」という趣旨の張り紙があることに気付いた。あのお店に行ったのはその一度きり。あのマダムやおじさんたちは、今どこでなにをしているのだろう。次の憩いの場を、無事に見つけているだろうか。

そんなことを考えながら、自分があの街をとても気に入っていたことを実感する。好きな街に住むのはとても気分がいいことだ。

転職に伴い上京することになったとき、この大阪の街と似たような雰囲気の街に引っ越したいと思っていたものの、どう探せばいいのか分からなかった。「大阪の○○町の雰囲気は、東京の〇〇町と似ています」という感じで、全国のさまざまな街の相関を出してくれるサイトがあったらいいのにと長いこと思っている。

幸いにも、友人が「まいちんここ好きそう」とすすめてくれた街をまんまと気に入り、今に到る。

すっっっっっごいうれしい!