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モスキート・ヘル

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パルプ小説、モスキート・ヘルです。
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2018年5月の記事一覧

モスキート・ヘル(1ー1)

モスキート・ヘル(1ー1)

「ねーちゃん、この人死んでるよ」
「持ち物も特にないみたいだ」
「持ってかれちゃったんだね、あとはそれぞれつてのある奴らが持ってくだろうからその辺投げとこ」
 モスキート・ヘルの護衛は明日だ。わたしは今日はいちばん上の双子の弟、カキツバタとショウブを連れて小銭を稼ぎに出ている。

 ウタマロの街の中心から少し離れたところにわたしたちは住んでいる。父さんは遠くに働きに出ていてたまに仕送りが来る。母さ

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モスキート・ヘル(序章)

モスキート・ヘル(序章)

「お前などがうちのテルちゃんに触れようなどと烏滸がましい」
 わたしが止める間もなく依頼人である男、モスキート・ヘルは襲ってきたゴロツキの脛を踏み折り、顔面を銃で撃ち抜いた。わたしのサイレンサー付きの銃だった。腰のホルスターからいつ抜かれたのだろう。
 車椅子の少年はすやすや眠っている。

「いや、面倒になるからむやみに殺さないでって言ったじゃないですか」
「お前が頼りないから私がやるしかないのだ

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