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映画「ディア・ファミリー」から

感動ものです、感動もののはずですが、観終わった時の私は明らかに違うよなっていうテンションでした。全部大泉のせいです(笑)

IABPバルーンカテーテルを開発した人のおかげで17万人の命が救われた、開発のおかげで救われた、これはまさしく私が研究医としてやろうとしていたことです‼ 知らなかっただけで先人がいた‼ 色んな意味でわかりみが深すぎてマジやばかった。
これについてはきちんと説明しないと意味不明でしょうが、書き始めると長くなるので過去記事のリンクを貼るだけにしておきます。

まずはIABPバルーンカテーテルについてまとめます。
心臓のポンプ機能が弱ってしまうと全身にうまく血液が送られなくなってしまう。そこでバルーンを大動脈内に留置して、心臓の補助をする。これを大動脈内バルーンパンピング(Intra Aortic Balloon Pumping)という。
検索するとIABOという似たような用語もヒットするし、バルーンを留置すると聞くとREBOAとはどう違うんだ? と気になってしまいます。調べたところIABOとREBOAはどちらもバルーンを大動脈内に留置して出血をコントロールすることで意味としては同じ。ただ単に呼び方が違うだけだそうです。一時的に血流を遮断して、その間に治療をする、もしくは予想外の出血の予防として使われます。
コード・ブルー3の2話で藍沢先生が救急車内でオペするシーンがあり、そこで藍沢先生がバルーンカテーテルとチラッと言っていますが医師は藍沢先生ひとりなので言われた側の消防士さんは分からなくて聞き返し、すると藍沢先生は尿道カテーテルと言い換える。あ、間違ってたらごめんなさい。バルーンカテーテルと尿道カテーテルは何が違う? 大動脈遮断用なのになんで尿道? と思って調べました。ド直球に解説してくれてるページは見つけられなかったので分かったことからの勘でしかないですが、尿道カテーテルの正式名称は膀胱留置カテーテルで、REBOAは大動脈遮断バルーンカテーテルというため、そもそも別物っぽいです。

ついでに、来期の「ブラックペアン」に向けて、医療器具だけサクッと書いておきます。今期の「アンメット」で津幡師長が懸命に持とうとしていたものが何かわからなかったのが悔しい、というのもある。
ペアンとは鉗子の一種で、鉗子はハサミみたいな形のクリップというイメージです。ペアン(普通サイズ)以外だと、ざっとサテンスキー(大きいやつで、これを使ってよく大動脈とかをクランプしてるが、無かった時にはハイラーツイストしてた)、ケリー、モスキート(小さいやつ)あたりは頻出語句ですがよく分かりません。鉗子とは別で鑷子というのもあって、イメージはピンセット、種類はドベーキー(何かを把持するやつ)しか知らない。他にはメッツェン(縫合の最後に要求してる印象)、クーパー、メイヨーなら聞いたことあるけどイマイチ分からない。
器械出し向けのサイトを発見したので、読んでもよく分からないとはいえ絶対こっちの方が正しいから貼っておきます~私は素人なので信用しないでください~!

-参考資料-


さて、話を戻します。
坪井宣政(大泉洋さん演じる主人公でIABPバルーンカテーテルを開発する人)は町工場の社長さんで、娘の佳美(福本莉子さん)のために人工心臓を開発しようとするけどうまくいかず……という流れ。人工心臓があれば佳美を救えるのにできなかった、一度は失敗して諦めようとする。佳美の傍にいるのが一番、でも「私の命は大丈夫だから」と言う佳美。ひ~🥲ってなるけど、でも苦しいのは坪井家だから私はお門違いって思った。
佳美本人の願いにより、お父さんは人工心臓作りで得た知識や町工場の技術で他の心臓病の人の命を救った。人工心臓でしか佳美の命を救うことはできないし、もう佳美は助からない、それでもお父さんは諦めず、少々方針を変えて、バルーンカテーテル開発をやり遂げたんです。

工場の中に「為せば成る。為さねば成らぬ、何事も。」(表記違ってるかもしれないです、ご了承ください。)という横書きで毛筆体のどデカい貼り紙があった。ちなみにこの言葉、中学で高校入試の面接対策で座右の銘として書いたよな、と思って探し出した。キモヲタ感は全くないが「為さねばならぬ」は怖い。

佳美の病気は三尖弁が閉じっぱなしで、かつ他のところに穴が開いてるんじゃなかったか? とうろ覚えの私に救命は務まらない……! ってそもそも医者ですらないわ!

途中で「お父さんは諦めの悪い男だ」みたいな台詞が出てきた瞬間、私の脳内は比企能員(佐藤二朗さんが鎌倉殿で演じてた人)になってしまったし、諦めなければ~の話はブルーモーメント感強すぎるって。8話(12日)のわりとすぐ後だったというのもあってか、坪井家の人みんな坪井家に良い意味で取り憑かれてるよな~‼️ というのが、総じて思ったこと。「ブルーモーメント」8話終了直後に書いたやつをコピペしておきます。

なんというか、めちゃくちゃわかりみが深かった……!!ぶち壊れても何度だって立ち上がるし諦めない、というより諦めるという選択肢が消え失せる。取り憑かれるってそういうこと。良い意味のトラウマ、みたいな感じ?⁡⁡
──記憶を失っても強い情動は残る(アンメットの三瓶先生が言ってたやつです)。
⁡目的のためなら猪突猛進で、他のことは視界に入らないし、私の場合は視界には入っても魅力がよくわからない。猛進してると痛い目に遭うことだってあって、(中略)⁡でも、取り憑かれてる人だから、何があろうと、諦めるなんてできない。どんなにキツい思いをしても、たとえ一度辞めても、結局最初の目的に戻る。
逸れた話も少し書いておくと、ハムレット名古屋公演行ってきました。(中略)説得力ありすぎてシェイクスピアの健康状態が心配だし、これ演ってる柿澤さんって辛酸なめまくってるよな……と。

uhm…⁡

⁡大丈夫だって口では言っている晴原柑九朗も、ホレーシオや役者たちに笑顔を見せたり狂ったフリをし続けたりするハムレットも、わかりみが深い!!  

出典

また、ルールに縛られる医療界の人々、特に石黒教授(光石研さん)がよく出てきてて、要らないルールは壊せばいいんだよ‼️ と心の中で叫びまくってました。そうして発展してきたんだもん、未来は僕たちの手の中にある‼️
ダメなら向きを変えてまた歩き出せばいい‼️
色々ひっくるめて、わかりみが深すぎる‼️
今回のカバー画像は真っ暗な劇場内でメモったものです。私にぶっ刺さったからなんだけど、すぐ「出逢って10年~」という劇場版の終盤のヘリポートのシーンを思い出した。


「ディア・ファミリー」はしっかりハッピーエンドだったけど、たいてい新技術には倫理的な問題が伴って出てきますよね。三瓶先生と大迫教授がITBを巡って対立した(「アンメット-とある脳外科医の日記-」にて)のは目の前の命と未来の大勢の人を天秤にかけて、それぞれの倫理観による二人の選択が逆だったから。「ブラックペアン」なら手技で確実に救うか今は不確かな器械でも未来のために使っていくか、ゲノム編集の在り方(ドラマ「ネメシス」と映画「ネメシス-黄金螺旋の謎-」にて)とか。人間としては、こういう倫理の問題にどうしても直面するし大切だけど、実際に勉強するのは知識的な内容ばっかりなのは、どういうことなんだろ……🤔
先日買った資格取得用の参考書の中では、約1000ページのうち1ページしか倫理が扱われてなかった。


ところで、インスタで写真上げたくらいに隠す気ないんですけど、言ってはいたのに書いてないことは堂々とは明かしたくないということです、ご理解のほどよろしくお願い致します。
6月1日のディア・ファミリーデーにて私を見た方には丸わかりでしょうが、あのヲタクは私です。
後で声をかけてくださった二人組の女性がいて、嬉しい☺️ありがとうございました☺️
テンションぶち上がる作品でした。この実際のエピソードは、ホントに、知れてよかったです……‼️‼️

これはテンションぶち上がるやつじゃないだろうと思いつつぶち上がったのは全部大泉のせい、いや、大泉ではないな!?!?

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