「空気を読む文化」から抜け出す方法
今日のお話は「空気を読む文化から抜け出す方法」についてです。
マレーシアに暮らし始めて2年くらい経つのですけれど、日本にいる時よりもなんか、とってものびのびしています。(当社比)
その一つが「空気を読まなくていい」というところにあるのかな、と。
傍若無人にふるまっていい、という訳ではなく、
「こういう時はこうすべきでしょ」
みたいな「正解」があんまりないからなんだと思います。
そもそも、多民族国家なので「正解」がないというのが、マレーシアの面白いところなのかもしれないですが。
ダメな時はちゃんと「ダメですよ」って言ってくれるし、ダメじゃなければそのまま放っておかれる。
自分の気持ちを言わないのに「察しなさいよ」みたいな感じがあんまりないんですよね。
そういえば、Grab(タクシー)ドライバーさんに「なんで、こんなに色んな背景や考えかたの人がいる国で、うまくやっていけるんだ」と尋ねた時に面白いことを言っていて。
「自分とは違うな、と感じたら、線を引いて、無視をするんだ」
って。
相手に求めるのではなく、自分がどうするか。
こういうところが、私には合っているのかもしれません。
一方で、日本にいた時は当たり前のように、
「今あの人はきっとこういう気持ちだろう」
「周りの人はこう思っているだろう」
と、他人の気持ちを想像して「先回りして動くこと」をやっていたように思います。(もう、ベテランの域です)
でも、これってけっこう不思議な話で。
相手の気持ちや考えなんて聞かないと分からないのに、どうして「相手はこう思っているはずだ」と勝手に決めていたんだろう、と思うんです。
これは「社会」に限らず、「家庭」「子育て」でも起こりうること。
かつての私は特に夫との会話の中で勝手に「こういう風に思っているんでしょ?」と、決めつけてイライラしていました。
子育てで言えば「先回り」や「過干渉」の原因も、「この子はこうしてほしいのだろう」と、親が勝手に決めてしまうところにあるのかも。
それでもって、この「空気を読む文化」を助長しているのはもしかすると、子どもの頃の教育なのかもしれないなぁ、と思うんです。
相手の気持ちなんて、聞かないと分からない
「●●ちゃんはどんな気持ちになったと思う?」
「●●ちゃんの気持ちになって考えよう」
もちろん、相手の気持ちを類推する力は必要ですが、過度にやりすぎてしまうと「相手はこう思っているはずだ」という、「決めつけ」になってしまうんじゃないかしら。
例えば泣いている、とか
怒っているとか、
「やめて」と言っているとか
相手の反応をヒントに気持ちを探るのは、いいかもしれないけれど
なにもないところで相手の気持ちを想像するのは、物語を創作するのと同じで、「自分だったらこう思う」という自分主体の考え方になりやすいのでは。
「自分と同じように相手も感じているはずだ」ばかりになってしまうと、かつての私が失敗したようにコミュニケーションがうまくいかなくなってしまう。
そういえば長女は、日本の小学校で「道徳」の授業が好きじゃない、と言っていました。
理由を尋ねたら
「自分が感じたことを『間違っている』とバツされるから」
と。
物語を読ませて、どんな風に感じたかを問うて、その回答が間違っているとバツをつける。
感じかたは人それぞれなのに、良く考えたらおかしな話で。
こういうところも「この物語を読んだのなら、きっとこう感じるはずだ」という、自分本位な決めつけなのかも。
ちなみに、マレーシアに来て、同じく長女の読書に関する宿題を見せてもらったのですが・・・
・この物語のあらすじを書こう
・あなたが面白いと思った箇所は?
・あなたがつまらないと思った箇所は?
・この物語を人に勧めるとしたら、いくつくらいの、どんなことに興味を持っている人にお勧めするか?
みたいな問いでして。
同じ「物語」に関する問いかけでも、なんか違って面白いなぁと思うのです。
「相手の本当の気持ちは相手に聞かないと分からない」という前提で
「相手に聞く練習をする」
「聴かれた時に気持ちを話す練習をする」
これがもしかすると子ども時代に大事なことなんじゃないか、って思います。
気持ちを想像するのは、童話やごっこ遊びなど、「創作」の中でも練習できるから。
じゃあ、どうやってそれをやればいいのか・・・
やっぱり私たち大人が、子どもの気持ちや考えを「こうだろう」と決めつけずに、
「今、どういう気持ちか教えて」
「今、何を考えているか教えて」
と、「教えてもらうこと」から始めるのがいいのかな、と。
こうやって繰り返し自分の気持ちや考えを聞いてもらう経験をすることで、それが子どもにとっての「パターン」になっていくから。
そう考えると
「言わなくても分かるでしょ!」
「自分で考えなさい!」
「●●ちゃんはどう思っていると思う?」
みたいな声かけから、変えていく必要があるのかもしれません。
それでは、また!
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