見出し画像

車輪のサイズをまちがえた?

自転車生活をずっと続けていると、膝下がちょっとずつ短くなっていったらどうしようって不安に思ったことが一度でも ・ある ・ない

学生時代は自転車がなければ人権ないみたいな生活だったので(そんなことない)、どこへ行くにも自転車だった。しかも最初のは生協のキャンペーンか何かで買った車輪極小ママチャリ。カタログをぺろぺろめくって、なんてキュートな御尊顔……と射ぬかれたばっかりに、車輪がなかなかのミニサイズだったことに気づかず購入しました。一般的な車輪の6割くらいの大きさだったんじゃなかろうか。とにかく友人と出かけようもんならその子の倍速で脚を回してやっとこさ追いつくほどのスピードで、現地集合という四文字が大好きだったあの頃を思い出します。

そんなミニ車輪でいいことひとつもない世の中だったかというと、そうではない。ゴッドオブバイスクル(ダサ)はしがない女学生に微笑んでくれた。まず、よくある盗難の対象にはいちどもならなかったこと。大学キャンパスから東西南北、とにかく自転車の数が多いぶん盗人もはりきっていたわけです。学内ではチャリ盗まれた人がまあまあいたけれど、大量に停められている自転車たちからわたしの子にわざわざ狙いを定めるなんて効率悪い、だって乗って帰るにもぜったいのろいやんけこれ…とわかるから。
だから幸か不幸か、学生時代ほぼ全期、買い替えることなく同じのを使い古すことができました。

あとはやっぱり見つけやすかったこと。広大なキャンパス内でもこの子と同じ車輪サイズをたぶん見たことがない。皆が皆平等に急いでいたとして、マイチャリ見つけろ競争をしていたら、持ち前のどんくささを差し引いても上位30%には入れたと思う。小ささゆえに目立つので、大学近くのカフェに入ってだらけていたことを、停めていたチャリだけで友人にバレたこともある。あれ、もしかしてある意味危なかったですかね?

四年間弱の乗り回しを経て買い替えたのがやっと「普通」の車輪! これでようやく一般ピープルと同じ速度であの道をこの道をぶいぶいしてゆけるのね、と愉悦に浸りながら漕ぎはじめたが、意外と抜かされる。あれ? あとから気づいたのだが、そもそもわたしの脚力がミニマムな仕上がりだったので、車輪がデカかろうが小さかろうが自転車のスピードは遅かった。けっこうかなしかった。でも2割くらいは速くなったと思い込んでいる。世には気づきたくない真実がいくらでもある。

前回の記事


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?