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高校時代の思い出① GPSと喫茶店

こんにちは。先日ふと自分自身の高校時代の生活について色々と思い出していたのですが、その中の一つを、個人的に忘れたくないなと思ったのでここに書き記します。

私は高校性の時よく学校をさぼっていたので、それを知って激怒した両親が私の当時使っていたスマートフォンにGPSのようなアプリを入れていました。

しかしある日どうしても授業をさぼりたい日がありました。どうすれば両親に怒られずに授業をさぼれるか考えた私は学校の真横にある喫茶店に行くことにしました。その喫茶店は営業しているかも分からないくらい古く、小さいお店だったためGPSの地図上に表示されず、そこにいる間はあたかも学校にいるように見えたからです。

店のドアには「営業中」の看板がかかっており、私はドアを開けながら恐る恐る「すみませーん」と声を掛けました。

店内には店員の60代くらいの女性とその方と同い年くらいの男性が二人いました。「あら、ずいぶんと若い子が来たね。」と、皆さん目を丸くしてこちらを見ていたのを覚えています。

「学校が早く終わったんです。」と適当に嘘をついて店内に入りました。そこは私が知っている喫茶店やカフェとはずいぶん違ってとても狭く、いたるところに生活感のある日用品が置かれていました。皆さん古くからの顔馴染み同士のようで、「場違いだな私」と少し後悔しながらもあいていた端のテーブル席に腰を下ろしました。

そして、メニューの中から一番安いホットコーヒーを注文しました。運ばれてきたコーヒーは花の模様のついたカップに淹れられており、ソーサーの横にはクラッカーにマーマレードのジャムがサンドされたものがついていました。

そこでコーヒーを飲みながらお客さんたちのお話を1時間くらい聞いていたと思います。内容はほとんど覚えていませんが、男性二人の若い時していた仕事のお話を聞いていたと思います。私は、当時怠けてばかりいることに負い目を感じていたため恥ずかしくて自分の話はほとんどしませんでした。しかし、帰り際に皆さんから「無理しない程度に勉強頑張ってね」と背中を押して頂いたような気もします。

帰り際に、一人の男性の方が「たくさん採れたからあげる」と言って私にビニール袋いっぱいのキウイをくれました。「こんなに大量にもらっては、親に見つかるかもしれないし困る」と内心思いましたが、断り切れず、全てもらって帰りました…。両親にはその後「道端のお爺さんに偶然もらった」と嘘をつきました。

以上で回想は終わりです。あの喫茶店で過ごした小一時間は現実から切り取られた、幻のような時間でした。それきりその喫茶店には一度も行っていません。しかし、夏休みに帰省した際には、まだ営業しているのか一度見に行ってみたいです。




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